今回は私が好んで使用している革靴ブランド「Berluti ベルルッティ」の製品を紹介したい。
革靴に興味がなければベルルッティというブランド自体をご存知でない方も多いと思うが、フランスのブランドとなる。
【CONTENTS】
ブランドの起源
ベルルッティというのは創業者の名前から来ており、イタリアの指物師だったアレッサンドロ・ベルルッティが創業者となる。
アレッサンドロは靴作りを学んだ後、サーカス団の靴や道具類を作りながらヨーロッパ各地を回ってパリに辿り着き、そして1895年に紳士靴工房を開いたことがブランドの始まりとなる。
彼が作るアーティスティクな靴は、ジャン・コクトー、エディット・ピアフフ、ランソワ・トリュフォー、アンディー・ウォーホル、イブ・サンローランなどの著名人を魅了する。
ブランドの変革
創業一族の4代目、アートディレクターに就任したオルガ・ベルルッティがブランドを改革。
これまでタブーとされてきた色使いなど、女性ならではの斬新なアイデアを取り入れる。これまでの色使いの質をキープしつつ、グレー、黄色、緑などこれまでにないカラーを使用し、これらの彩色技術は「パティーヌ」と名付けられる。月の色の移りかわりにインスピレーションを得て考案した、深みのある色彩表現と高く評価されている。
現在はルイ・ヴィトンを傘下に置くLVMHのグループに属しており、フランスを代表するブランドの一つであることは間違いない。
そんなベルルッティの製品をいくつか所有しているので、この後、一つずつ紹介していきたい。
私が使用しているベルルッティの製品は靴が3足に名刺ケースとブックカバーになる。
所有している製品紹介
ブックカバー
カバー全体に古文書のような文字が刻まれている。この文字はカリグラフィーと呼ばれ、ベルルッティ製品にはこのカリグラフィーが刻まれたものが数多くある。そしてこのブックカバーに刻まれているのはゴールデンパティーヌと呼ばれる文字通りゴールド色の非常にゴージャスなパティーヌになる。
このパティーヌというのは、溶剤、精油、顔料、および染料を塗布しながら、皮革の着色および漂白を行う技法で、1980年代、オルガ・ベルルッティ により、この秘伝の技は確立された。
ブックカバー中面は至ってシンプル。左下にロゴが入っているだけだ。右上に付いている四角い跡は、以前ペンホルダーを付けていて剥がした名残である。このカバーは文庫本サイズなので、A6ノートがピッタリハマる。そのためブックカバーとしてではなく、ノートカバーとして使用していた時期があった。今は付けていたペンホルダーは外している。
ブックカバーなので、栞も付属しており、栞にもカリグラフィーが刻まれている。
カードケース
続いて紹介するのは名刺ケースになる。こちらもブックカバー同様、カリグラフィーが全面に施されている。ベルルッティ製品全てにカリグラフィーが入っている訳ではないが、個人的にカリグラフィーが入っている方が好きなので、あえてカリグラフィー入りを選んでいる。このカリグラフィーは製品一つ一つ入り方が違うので、この名刺入れは、店頭の在庫を全て出して貰い、一番カッコいい入り方をしている物を店員さんと一緒になって選んだ。
ケースの中はこんな感じ。私はこの中に名刺と資格の登録証などを入れている。
次からは革靴の紹介となる。
ベルルッティは今でこそ小物類や鞄、衣類なども扱っているが、本来は靴のブランドなので、今でもメインで取り扱っているものは靴になる。
Scritto Calligraphy Derby
この靴にも入っている。カリグラフィーが。しかし全面ではなく、後ろ半分にしか入っていないので、正面から見ると普通の靴に見える。そのため、私は普通に仕事で履いている。
ベルルッティで使用されている革はヴェネチアレザーと呼ばれている。ベルルッティ特有のパティーヌを創り出すためには、それにふさわしい土台が必要となり、ベルルッティが独自に開発した特別な鞣し(なめし)製法によりヴェネチアレザーが生まれた。このヴェネチアレザーは、あらゆる独創的な大胆さを可能にするしなやかさと上質感を併せ持ち、様々なパティーヌの妙を表現している。
今回ご紹介している靴についても、3足いずれもネロと呼ばれる黒系の靴になるが、ただ真っ黒なのではなく、薄い黒と濃い黒が絶妙なグラデーションとなっている。
Alessandro
続いて紹介する靴は創業者の名を冠したアレッサンドロと呼ばれるホールカットシューズである。ホールカットとは一枚革を贅沢に使用した靴で、他のデザインの靴のように革の継ぎ目が無い(厳密にはホールカットの場合、ヒールカップ部分のみ継ぎ目があります)靴なので、非常にシンプルでかつドレッシーなデザインになる。個人的に一番好きなデザインだ。
創業者の名を冠しているだけあり、ベルルッティのアイコン的な靴となる。ベルルッティにはもう一つアイコン的な靴としてアンディと呼ばれるローファーもあるが、残念ながら私は所有していない。正確には過去所有していたが、手放してしまった。機会があったらまた履きたい。ちなみに、この記事の最初の方に載せたカラフルなローファーの写真がアンディだ。
TROMPE-L’OEIL
最後にご紹介する靴はTROMPE-L’OEIL(トロンプ・ルイユ)と呼ばれるサイドエラスティックの靴だ。サイドエラスティックは靴のサイドが伸び縮みするゴムになっていて、脱ぎ履きが楽な作りをしている。ローファーのように靴べら一つで簡単に脱いだり履いたりできる。これは靴の脱ぎ履きが多い日本の文化にマッチしたデザインと言えるだろう。
今回紹介した3足の靴はいずれもDmesure(デムジュール)と呼ばれるラストを使用している。
ラスト(木型)について
靴作りにおいて重要になってくるのが、ラストと呼ばれる木型だ。
上の写真は有限会社大山というラストを製造する会社のものを参考に転載させていただいた。
この写真のように木で作られた足型のことをラストと呼ぶ。従来は職人が顧客の足に合わせて一つ一つ手作業で作るが、大量生産されるような廉価靴ではプラスチックが使われるようだ。
同じブランドでも様々なラストがあり、サイズが同じでもラストが違うと履いた時の感じが違ってくるので、革靴を選ぶ時は実際に試着することが重要となってくる。
今回紹介したベルルッティのデムジュールと呼ばれるラストの場合、私は6.0のサイズを選んでいるが、キツくもなく緩くもなく、一日中履いていても痛くならないピッタリ合うラストで気に入っている。
以上が私が現時点で所有しているベルルッティとなる。読んでいただいた方にベルルッティの素晴らしさが少しでも伝われば幸いである。
最後にベルルッティのホームページのリンクを貼っておく。
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