+αな暮らし

メーカーでインハウスのファシリティマネジャーとして建築・不動産に関する仕事をしています。このブログでは建築・不動産・施設管理系の資格挑戦についてと、革製品を始めとした愛すべきプロダクトについて書いています。

エプロンフロントダービー比較

先日購入したJ.M.WESTON ゴルフ。気がつけば手持ちのエプロンフロントダービー(いわゆるUチップ)の靴がゴルフを含めて3足になった。

 

せっかくなので、これを機にUチップの靴を比較してみたいと思う。

 

今回比較する手持ちのUチップは下記の3足。

J.M.WESTON ジェイエムウエストン GOLF ゴルフ

JOHN LOBB ジョンロブ CHAMBORD シャンボード

GAZIANO&GIRLING ガジアーノ&ガーリング HOVE ホーブ

 

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からホーブ、シャンボード、そしてゴルフとなる。

 

一口にUチップと言っても趣きがだいぶ違う。例えば今回の場合、ホーブはすらっとしたデザインでドレス寄り、丸みを帯びたゴルフはカジュアル、シャンボードはその中間といったところだろうか。

 

3足の比較

エプロン部分の比較

まずは、Uチップの最大の特徴であるエプロン部分から見てみよう。

 

ちなみに、このアッパー上部の形状がエプロンの前掛けのようだからエプロンフロントダービーと言われている。Uチップという言い方もUの字に見えるところから来ている。

 

さて、まずはG&G ホーブから。

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トゥの先端に縦割りの線が入っているが、これはスキンステッチと呼ばれる縫い糸が表面に出てこない高度な職人技になる。

さらにはエプロン部分のモカ縫いも、甲革とモカ革を合わせて縫ったあとに、すくい縫いを施すライトアングルステッチと呼ばれる、これまた高度な技術で縫われている。ここら辺はさすがエドワードグリーンやジョンロブで技術を磨いたガジアーノ&ガーリングと言えるだろう。

なんとなく…このホーブはエドワードグリーンの名作ドーヴァーをよりスタイリッシュにした感じだ。

 

続いてJLのシャンボード。

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こちらも基本的にはトゥのスキンステッチ、そしてライトアングルステッチのモカ縫いと、ホーブと似た作りをしている。

形状はホーブに比べて少しポテッとしたデザインになっておりカジュアル色が増している。

革質についてはホーブよりシャンボードの方が良い。天気の良い外を歩いてる時に足元を見ると、シャンボの艶に思わずうっとり。さすがはロブだろう。

 

最後はJ.M w ゴルフ。

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ゴルフは前2足と比べるとだいぶ趣きが違う。

まず、トゥに縦割りの縫い目がない。コロリと丸いデザインは何とも愛嬌がある。

そしてモカ縫いも縫った後が山のように盛り上がる「トライアングルモカ」と呼ばれる縫い方となる。

シボ革と相まって、かなりカントリー色が強い一足となっている。

 

羽根部分の比較

まずはホーブ。

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靴紐を通すアイレットの数は少し少なめの4アイレットで羽根の小さい分、Vフロントとなっている。シューレース(靴紐)は靴と同色のネイビー。

 

続いてシャンボード。

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こちらは定番の5アイレット。アイレット数は多いほど武骨なイメージがある。

余談だが、私が所有している靴の中にはアイレット数が1つや2つのダービーシューズがあり、かなりエレガントだ。

 

最後にゴルフ。

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こちらもシャンボードと同じく5アイレットとなる。まあ今回の靴では一番カントリー色の強い靴なので当然と言えば当然だ。

 

サイド&バックからの比較

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まずはホーブ。

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この3足の中でホーブだけが、若干ピッチドヒールとなっている。コバが張り出すことなく、スリムな形状をしている。この辺りのデザインを見てもドレス寄りと言えるだろう。

ソールはダブルソールになっており厚めだ。ドレスな装いながら見えないところは頑健な作りをしている。レザーソールながらオールソールすることは早々ないだろう。

 

続いてシャンボード。

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シャンボードはコバが張り出していてかなりゴツい。元々カジュアル色が強いUチップはピッチドヒールよりこちらの方が似合うかも知れないな。

ソールに関してはハーフミッドソールと呼ばれる土踏まず部分はシングルソールで、つま先に向けてダブルソールになっているので、こちらもホーブ同様、長持ちするソールとなっている。

 

最後にゴルフ。

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3足中、唯一ラバーソールなのがゴルフ。

コバもシャンボードの様に張り出していて武骨さを前面に押し出している。ソールはリッジウェイソールと呼ばれるラバーソールで「あぜ道」を意味するみたいだ。今回の3足の中では一番踏破性に優れているソールと言えるだろう。

 

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以上、手持ちのUチップを簡単に見比べてみた。

 

求められる技術力の高さで言うと、エプロン部の形状で見た限り、ホーブとシャンボードに軍配が上がり、ゴルフはちょっと落ちる感じだ。

 

一方、ステッチの細かさではゴルフ、ホーブに比べシャンボードは細やかさに欠ける感じとなる。

 

革質に関してはシャンボードが群を抜いている。

 

それぞれ一長一短があり、靴の特性もドレス寄り、カジュアル色強めなど方向性が違い、さらには革質も違うのでトータルでの評価は非常に難しいが、あえて順位を付けるとしたら、シャンボード>ホーブ>ゴルフとなる。

 

ただお値段がゴルフは一番安いので、結局のところ高い順みたいになってしまっている。

 

実用性で見ればゴルフが一番高い。

 

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