ビジネス用のバッグ、それもフォーマルな場でも違和感のない黒系のものを、ずっと探していた。
というのも、普段使っている土屋鞄のトート(オリーブ色)は、いかにもカジュアル向けで、フォーマルな場には少しそぐわないからだ。
私は総務/FM部門の部門長で、基本的に内勤なので、日頃はビジネスカジュアルが中心だ。
そのため普段はトートバッグでも特に困らないのだが、時には格式ある場に出ることもある。
いざという時のために、黒系のきちんとしたバッグをひとつは持っておきたい――ずっとそんな思いがあった。
黒いビジネスバッグを探す中で、候補は二つに絞られた。
ル・ボナーの「コンフェ・ヴ」と、大峡製鞄の「レイロウ」だ。
どちらも魅力的で、なかなか決めきれなかった。
そこで、AIに助けを求めてみることにした。
プロンプトはごく簡単なものだったが、返ってきた回答は予想以上に丁寧で、深い分析が続いていた。
ざっくり言えば、
- 仕事で黒のブリーフとして長く使い、さりげなく通っぽさを漂わせたいなら「レイロウ」
- 革マニア寄りの玄人感を演出したいなら「コンフェ・ヴ」
という内容だ。
素材の特徴、耐久性、フォーマル度、そして“通度”――どの切り口から見ても二つは互角でありつつ、最終的には「仕事の黒ブリーフ」としての総合力でレイロウを推していた。
なるほど、と素直に思った。
分析は的確で、私の目的にも合っている。
そこで、レイロウ ミディアムを購入することに決めた。
ところが、ここで問題が浮上する。
公式のオンラインストアを見ても、ブラックは品切れ。ネイビーやチョコ(ダークブラウン)といったビジネス向けの色も在庫なし。残っているのはトープやゴールドといった明るい色ばかりで、私の目的には向かない。
探索をネットオークションまで広げてみると――
あった。未使用品のブラック。
価格は158,400円。決して安くはないが、公式価格209,000円よりは現実的だ。なにより今は入手困難。ここで逃すともう巡り会えないかもしれない。
意を決して購入ボタンを押した。
そして三日後(昨日のこと)品物が届いた。
開封して、まずはほっとする。未使用品らしい凛とした佇まいで、状態も良い。



ところが、写真を撮っていると、ふと違和感がよぎった。
――あれ、これ、本当にブラックか?
念のため屋外に持ち出し、自然光の下で見てみる。


……ネイビーだろ、これ。
ブラックとして出品されていたはずのレイロウ ミディアムは、実際にはネイビーだった。
とはいえ、大峡製鞄のネイビーはもともと黒に近い深い色味で、公式サイトの写真でもブラックと見分けがつきにくい。
公式サイト上のブラック
公式サイト上のネイビー
おそらく出品者も室内で見間違えたのだろう。
事情を伝えると、出品者は丁寧に対応してくれ、返品にも応じるとのことだった。
だが少し考えた末、このまま受け取ることにした。
ネイビーとは言え、ほぼブラックに見えるし、ビジネスシーンでも問題ない。むしろ、ほんのわずかな青みが上品に感じられた。
出品者は迷惑をかけたと5,000円の値下げを申し出てくれたので、それもありがたかった。
実際に手に持ってみると、レイロウ ミディアムは期待以上に素晴らしかった。
上質なジャーマンシュリンクの質感、控えめで端正な佇まい――。ビジネスバッグとしての実用性と品の良さが、静かに、しかし確かに伝わってくる。
そして今日――
実際にレイロウを持って会社へ向かった。


いいね。実に品がある。
結果的に色違いではあったものの、満足度は高い。良い買い物をした、と今では思っている。
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