+αな暮らし

メーカーでインハウスのファシリティマネジャーとして建築・不動産に関する仕事をしています。このブログでは建築・不動産・施設管理系の資格挑戦についてと、革製品を始めとした愛すべきプロダクトについて書いています。

JOHN LOBB LONDON Bespoke ジョンロブ ロンドン ビスポーク

先日、大変珍しい仕様のジョンロブ ロンドンのヴィンテージシューズを入手したので紹介したい。

 

その珍しい仕様というのは、アッパーの素材にある。通常のカーフやコードバンなどではなく、オーストリッチ(ダチョウ革)なのだ。

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パッと見で異様な存在感を発揮している。。

オーストリッチ特有の革の表面がボコボコしている。これはクィルマーク(丸い突起模様部分)と呼ばれている。

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オーストリッチであれば必ずクィルマークがあるという訳ではなく、オーストリッチでも限られた部位でしかこの革は取れない。それだけ厳選された革を使用しているということが分かる。

 

また、デザイン的な特徴として気に入ったのがストラップ部の二つ目だ。まるでオーベルシーのルパンのようだ。この二つ目タイプは本当に目みたいなデザインなので気に入っている。

 

そしてこちらのシューズ、ビスポークのためサイズ表記がない。ただしシューツリーは6サイズが使われている。

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ビスポークのシューツリーなので、調整可能なバネ式ではなく、専用品となる。

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アウトソールのサイズを測ると、左足が 約290mm×約95mm、右足が約285mm×約97mmとなっており、ビスポークならではの左右で若干サイズが違う。ウィズ狭めの6〜6 1/2と言った感じだ。

 

ソールの材質はシングルレザーソールで、ヒールトップはレザー×ラバー(PHILLIPS ’SPECIAL’)を使用している。ウエスト部はかなり絞り込まれている。

 

製法は当然ハンドソーンウェルテッド製法だろう。ジョンロブのビスポークなので、おそらくオーダー時は80〜100万円くらいしたのではないだろうか。

 

ヴィンテージ品ということもあり、残念ながらダメージもある。

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左の履き口、ストラップ付近に裂け部分がある。上の写真がその部分だが、補修するためには、ストラップの両サイドのステッチを外し、裂け部分の裏に革あてをして再度縫い直すという処置が必要になる。放っておくと履くたびに裂け部が広がる危険性もある。


それ以外に致命的なダメージはなく、ストラップの補修さえすればまだまだイケる!と踏んで購入した。

 

…が、

実際に届いたシューズを履いてみたら、ウィズがキツかった。


長さ的には申し分なかったので非常に残念でならない。😭 そのため、手元に届いたばかりではあるが、泣く泣くオークションで出品することにした。出品にあたり、インソックはアルコールで拭き上げ、アッパーはタピールのレーダーオイルで磨いておいた。アウトソールについてもレーダーソールフレーゲで手入れしておいたので、私が入手したときより艶々した状態だ。(写真は全て手入れ後のものとなる。ご参考まで)

 

さて、この靴についてもう少し補足しておく。

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インソックシートはつま先までの一枚モノで、筆記体でジョンロブのロゴと、英国王室御用達のロイヤルワラントが箔押しされている。

ジョンロブはロイヤルワラントが三つの時期と二つの時期があるが、この靴は二つになる。

 

また、ジョンロブにはジョンロブ ロンドンとジョンロブ パリがあり、ジョンロブの既成靴は全てジョンロブ パリのものになる。ビスポークに関しても通常はジョンロブ パリになり、ジョンロブ ロンドンはイギリス国内のみでビスポークの注文を受ける工房なので、この靴がいかに希少かというのが分かるかと思う。

 

オークションには、手数料を考慮した上で低価格設定で出品しているので、気になる方はぜひ見ていただければと思います。検索で「ジョンロブ ビスポーク」と打てばヒットします。

 

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