+αな暮らし

メーカーでインハウスのファシリティマネジャーとして建築・不動産に関する仕事をしています。このブログでは建築・不動産・施設管理系の資格挑戦についてと、革製品を始めとした愛すべきプロダクトについて書いています。

EDWARD GREEN NEWBURY エドワードグリーン ニューバリー

今回ご紹介する革靴はEDWARD GREEN エドワードグリーンのホールカットシューズ「NEWBURY ニューバリー」だ。

 

私はホールカットのデザインが大好きだ。革靴のデザインの中で一番好きと言っても過言ではない。シンプルゆえに妙な色気があるとこがいい。それはこの靴にも当然当てはまる。

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見よ!この色気。

 

さて、まずはエドワードグリーンというブランドについて少し書いておく。と言っても革靴好きなら知らない人はいない有名ブランドだが…

エドワードグリーンはイギリス・ノーザンプトンに本拠を置く靴メーカーで創業は1890年。創業者は当然エドワードグリーン氏だ。どこのブランドも、創業者の名前をそのままブランド名にすることが多い。

EDWARD GREEN エドワードグリーン

エドワードグリーンは1930年代の大戦期に軍需分野で力を伸ばし、英国空軍向けブーツで最大規模を誇るまでになったものの、戦後は徐々に経営が悪化。1977年には創業者の息子たちの手によりアメリカ資本へ売却される。

その後、イタリアで靴デザイナーをしていたジョン・フルスティック氏がエドワードグリーンの負債+1ポンドの金額でブランドを買収。そして1983年、社長に就任したフルスティック氏はブランドの再建に着手する。

その後、ジョンロブのライセンス権を持っていたエルメスがエドワードグリーンに買収を持ち込み、フランス進出のきっかけを探していたグリーンはエルメスと手を組むことになる。しかし、結果としてフランス進出は叶わず、逆に経営悪化に陥りエドワードグリーンは自社株をエルメスに売却することとなってしまう。そして工房もラスト失ったエドワードグリーンはしばらくの間、グレンソンやクロケット&ジョーンズに製作を委託することとなる。

それでもエドワードグリーンは長年付き添ってきた職人達と新たに工房を構え再興を目指し、2004年からはトニー・ガジアーノ氏をデザイナーに迎え本格的な復活を果たすこととなる。

このトニー・ガジアーノ氏こそが、現在のガジアーノ&ガーリングの創業者の一人である。

 

紆余曲折を経て、現在の高級革靴ブランドとして確固たる地位を取り戻したエドワードグリーンのホールカットシューズ「ニューバリー」が今回の主役だ。

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見ての通りのもっちもちのお肌。ものすごく柔らかな革質で履きやすさ抜群である。

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トゥと後部の腰革部分に染めムラがある。

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アウトソールはレザーソールで縫い糸を隠すヒドゥンチャネル仕上げ。つま先はすり減ってきていたので一度ラバーで補修している。

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インソックのロゴはブロック体の金文字+囲み付きのタイプとなる。当然囲み内にMADE BYの表記はない。囲み内の一番上の段にMADE BYが書かれているものは、いわゆる旧工場時代の逸品になり、今となっては希少性が増して程度の良いものはコレクター垂涎の靴となっている。

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現在のエドワードグリーンでは当たり前だが、ライニングには丸窓が付いており、上段に 6 1/2 /7.E 606 、下段に 23116 と書かれている。上段の6 1/2がUKサイズで7がUSサイズ、Eはウィズとなる。そして606はラスト(木型)ナンバー。下段は…商品番号ですかね?

 

この606ラストとは、エドワードグリーンの基本ラストとでも言うべき202ラストをベースに、ゆったりとったセミスクエアトゥのラストとなる。私の足に意外と合うようで履きやすくて気に入っている。


現在、エドワードグリーンの靴はストラスブルゴのHPを見ると16万円台〜20万円弱と、革靴としてはかなり高額の部類と言える。正直、そこまでの価値があるのかどうかは疑問。同じ値段を出すのであれば、さらに少し高いが、ジョンロブ やガジアーノ&ガーリングの方が質が良いと思う。

 

余談だが、この「NEWBURY」は以前見ず知らずのお婆さんから「あら、素敵な靴ですね」と言われたことがある。そんな事言われたのはこの靴が始めてだ。

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