+αな暮らし

メーカーでインハウスのファシリティマネジャーとして建築・不動産に関する仕事をしています。このブログでは建築・不動産・施設管理系の資格挑戦についてと、革製品を始めとした愛すべきプロダクトについて書いています。

認定ファシリティマネジャー 独学勉強記録

先日、認定ファシリティマネジャー(以下、CFMJ)試験に無事合格したので、勉強記録をまとめておくことにする。CFMJ試験はマイナー資格で情報が少ないため、少しでも受験する方の参考になれば幸いである。

 

【CONTENTS】

 

CFMJ試験の特徴

CFMJ試験の特徴として、まず出題範囲が非常に広範ということが挙げられる。と言っても専門的な深さはあまり無く、広く浅くと言った感じの試験となる。

 

建築、不動産、環境、財務、ICTから出題され、私は建築、不動産、環境はなんとなく分かるのだが、財務、ICT分野が苦手で苦労した。

特にアルファベット三文字の略語がやたら多く、その違いやアルファベットが何の略なのかも分からなかった。財務関係で言えば、ROA、ROE、ROI、EVAなど。情報システム関係だと、SSL、VPN、ASP、PLCなどなど。

 

そんな状態からのスタートだったため、まずはテキストを通読するところから始めた。(実はこれが間違いだったわけだが、その理由は後述する)

 

テキストでの勉強

CFMJはマイナー資格のため、テキストは「総解説 ファシリティマネジメント」と「総解説 ファシリティマネジメント追補版」しかない。しかし、試験問題はこの2冊の中から出るので、この2冊を勉強しておけば十分と言える。

しかし、この2冊共ページ数が多い上に字が小さく非常にボリューミーな内容となっている。

 

そのため、一度通読するだけでかなりの時間を要した。具体的には7月の試験に向け、2月の中旬からテキストを読み始めたものの「総解説 ファシリティマネジメント」のテキストだけで500ページあり、通読するだけで4月末までかかってしまった。

 

二級建築士も同時受験しており、その作図練習にかなり時間を取られていたのも時間がかかった要因となっている。

 

過去問での勉強

4月1日から受験申し込みが始まるので、忘れずに申し込みしておくと同時に、4月に入ってからはテキストの通読と同時進行で過去問を進めていくことにした。

過去問題集には直近の4年分が収録されており、まず4年分の過去問全てを一度やってみることにした。ただし、論述は飛ばして択一式の学科のみの取り組みとなる。(論述対策については後述)

 

CFMJ試験は、択一式が三科目(FMの概論、FMの実務1、FMの実務2)あり、各科目200点満点となる。問題数は科目により多少バラつきがあるが、FMの概論が25問、FMの実務1&2がそれぞれ20問くらいとなる。FMの実務1&2に関しては問題数としてはもっと少ないが、例えば「問13-1、問13-2」と言うように問題の中に子問題があるので、それらを含めて20問程度といった感じとなる。三科目合計すると65問前後くらいだろうか。

 

そして、4年分の過去問をとりあえず解いてみた結果は…

2013年(H25年)問題
◆FMの概論 158点/200点(正答率79%)
◆FMの実務1 163点/200点(正答率81.5%)
◆FMの実務2 115点/200点(正答率57.5%)

2012年(H24年)問題
◆FMの概論 125点/200点(正答率62.5%)
◆FMの実務1 161点/200点(正答率80.5%)
◆FMの実務2 105点/200点(正答率52.5%)

2011年(H23年)問題
◆FMの概論 144点/200点(正答率72%)
◆FMの実務1 163点/200点(正答率81.5%)
◆FMの実務2 142点/200点(正答率71%)

2010年(H22年)問題
◆FMの概論 152点/200点(正答率76%)
◆FMの実務1 166点/200点(正答率83%)
◆FMの実務2 117点/200点(正答率58.5%)

これがテキストを一度通読して、過去問を通しで解いてみた5月末時点での私のレベルとなる。

 

各科目の合格点は公表されていないが、試験直前に対策講座を受講した際に、講師の方からは、各科目とも正答率75%〜80%以上の正解で論述の採点に進めると言われた。それを信じるならば、正答率80%を取れているのはFM実務1だけで、FM実務2の点数はどの年度も低めで、正答率50%台が多く、課題として実務2の点数を底上げする必要があることが分かる。

 

6月に入り、間違えた問題のみ4年分通しでもう一回解いてみて、それでも同じように間違えた問題は付箋を貼って、該当する箇所のテキストを見直すことにした。それと同時に、試験まで一ヶ月を切ったので、論述対策も始めることにした。

 

論述対策

論述問題は800字書く必要がある。

論述対策にはAmazonの電子書籍で「ファシリティマネジャー試験論述対策(Kindle版)」が350円という格安で販売されている。この対策本は過去5年間の論述問題の解答例が載っており、どういう解答文を書けば良いかの参考になる。

実際の対策方法として、対策本を一読した後、まず5年分の過去問に対し、模範解答を参考に自分なりの解答を書いてみた。そうすることによって、それが今年の本番試験に向けての、自分なりのベース案となる。

本番試験ではどんな問題とキーワードが出るか分からないので、この5年分の解答案を組み合わせて完成させることになるだろう。

 

また、練習で自分なりの回答を書くときは、実際の試験に合わせて手書きで書くことをお勧めする。800字の論述を書くのにどれくらいの時間が必要になるか体に覚えさせた方が良い。

 

FM財務評価1日集中講座

6月21日(土)に試験対策として「FM財務評価1日集中講座」を受講した。

 

これは難しい財務のみに的を絞った講座となるが、如何せん一日だけなので、新たに得られる知識はたかが知れているのだが、それでも受講したおかげで、多少なりとも学科の得点アップに繋がったと思う。(受講料が高いので、値段だけの価値があるかは疑問だが…)

 

ちなみに、この講座の中で、前述の学科試験の正答率75%〜80%で論述試験の採点に進めるというのを聞いた。

 

過去問追い込み

試験三週間前から、もう一度4年分の過去問に通しで取り組んだ。

 

その結果は、

2013年(H25年)問題
◆FMの概論 181点/200点(正答率90.5%)
◆FMの実務1 181点/200点(正答率90.5%)
◆FMの実務2 143点/200点(正答率71.5%)

2012年(H24年)問題
◆FMの概論 155点/200点(正答率77.5%)
◆FMの実務1 180点/200点(正答率90%)
◆FMの実務2 158点/200点(正答率79%)

2011年(H23年)問題
◆FMの概論 186点/200点(正答率93%)
◆FMの実務1 170点/200点(正答率85%)
◆FMの実務2 166点/200点(正答率83%)

2010年(H22年)問題
◆FMの概論 164点/200点(正答率82%)
◆FMの実務1 171点/200点(正答率85.5%)
◆FMの実務2 161点/200点(正答率80.5%)

通しでやるのは2回目なので、さすがに一回目のときに比べれば全体的に点数はアップしている。

 

試験本番

そして、いよいよ7月6日の試験本番の日を迎えた。

 

試験直後の感触は、

  • FM概論:思ったより難しく感じた。
  • FM実務1:簡単だった。
  • FM実務2:難しく感じた。
  • 論述:用意していたネタが使えたので良かった。

と、一言で総括するなら、こんな感じだった。

この時点では学科2が難しく感じたため、出来栄えに不安を残す結果となった。

 

試験後の解答速報に関して…

CFMJ試験の場合、建築士や宅建士のように資格学校等から解答速報が出ない。

どうしても答え合わせをしたい場合は、2chや受験した人が個人的にブログなどで解答をのせていることがあるので、そういったもので答え合わせをしてみるしかないが、当然、精度は低めなので参考程度で考えた方が良いだろう。

 

合格発表

9月1日、いよいよ運命の合格発表。

10時にホームページ上で合格者の受験番号がアップされる。(合否結果は通知書でも送られてくる)

 

資格新規登録申請

無事に合格した後は「資格新規登録申請」を行う必要がある。試験の合格は生涯有効だが、登録をして登録証を発行して貰わないと「認定ファシリティマネジャー」を称することが出来ない。

 

登録には実務経験が必要となり、学歴に応じ実務経験年数が変わる。ちなみに、実務経験年数が10年超えてる場合は学歴は不問となる。実務経験として認められる業務は色々あるが、不動産の賃貸借や売買、建物の建設や大規模改修に携わっていたことなど…意外とざっくりしている。

 

また、登録が終わって登録証が無事発行された後も、5年毎に更新講習を受ける必要がある。建築士や宅建士もそうだが、法令改正の内容など常に新しい情報を得るためにもこの更新制度は大事だと思う。

 

反省点と勉強方法

さて、振り返ってみての反省点だが、やはりテキスト通読に時間をかけ過ぎてしまった事があげられる。頑張って分厚いテキストを通読したところで、読み終える頃には最初の頃に読んだ事はすっかり忘れているし、出題範囲が幅広いので、人によって得意な分野、不得意な分野もあると思うので、勉強方法としては、テキストを読む時間を過去問を解くことにあて、解説を読んでも分からない問題だけテキストで勉強するやり方のほうが効率的だろう。

 

試験にかかった費用

  • 総解説ファシリティマネジメント(テキスト):5,180円
  • 総解説ファシリティマネジメント追補版(テキスト):3,020円
  • 認定ファシリティマネジャー資格試験問題集 平成26年度版:3,020円
  • 認定ファシリティマネジャー受験手数料:21,600円
  • 財務集中1日間コース講座:31,300円
  • ファシリティマネジャー試験論述対策(Kindle版):350円
  • 資格新規登録申請料:10,800円

 

試験勉強にかけた時間

2014年2月中旬〜7月上旬の試験日までの約5ヶ月間、時間は平均して1日当たり30分〜1時間くらい。トータル勉強時間はおそらく150〜200時間くらいだったと思うが、測っていなかったので、正確な時間は不明。

 

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