+αな暮らし

メーカーでインハウスのファシリティマネジャーとして建築・不動産に関する仕事をしています。このブログでは建築・不動産・施設管理系の資格挑戦についてと、革製品を始めとした愛すべきプロダクトについて書いています。

技術士 一次試験 独学勉強記録

技術士の一次試験を無事通過したので、恒例の勉強記録を残しておくことにする。

 

【CONTENTS】

 

一次試験の概要

一次試験は下記の三科目から構成されている。

  • 基礎科目(科学技術全般知識):5分野で各6問出題され各分野3問、計15問を選び解答。
  • 適性科目(技術士法に関する適性):15問出題され全問解答。
  • 専門科目(専門分野知識):35問出題され25問を選び解答。

 

合格基準は下記の通りとなる。

  • 基礎科目:40%以上かつ基礎+専門で50%以上
  • 専門科目:40%以上かつ基礎+専門で50%以上
  • 適性科目:50%以上

分かりやすく全科目50%以上取るのを目標にすると良い。

 

試験に向けて私が立てた勉強プランは下記の通りとなる。

  • 8月 →「基礎・適性科目」の勉強
  • 9月 →「専門科目」の勉強
  • 10月 → 全科目を総復習

 

基礎科目・適性科目の勉強

実際に勉強を始めたタイミングは2015年の一級建築士 学科試験が終わった7月末からとなり、技術士の試験日は10月上旬なので、勉強期間は約二ヶ月半弱であった。

 

勉強期間が短いことから、勉強法は過去問を中心に取り組むことにした。まず、基礎・適性科目の勉強用に「技術士第一次試験問題集 基礎・適性科目パーフェクト 2015年版」という問題集を購入した。

ところが、いざ「基礎・適性科目」の過去問に取り組んでみた結果、「基礎科目」が散々たる結果に終わってしまった。逆に「適性科目」については勉強しなくても必要点の50%以上は余裕で取れそうだった。そのため、8月は「基礎科目」のみに重点を絞り勉強することにした。

 

「基礎科目」対策として「平成27年度版 技術士第一次試験「基礎・適性」科目必須問題150問」を追加購入した。

この問題集は「基礎・適性科目」の解説と、試験によく出る分野の問題を厳選して150問掲載した問題集になる。

 

この中の「基礎科目」のみを重点的に勉強しだが、結果的には150問を1巡しただけで8月が終了してしまった。

 

専門科目の勉強

後ろ髪を引かれる思いで、9月1日からは当初の予定どおり「専門科目」の勉強にシフトした。

 

問題集は「平成27年度版 技術士一次試験【建設部門】専門科目受験必修過去問題集<解答と解説>」を使用した。

この問題集の良いところは、問題のすぐ下に解答と解説が載っているので、答え合わせで違うページに飛ぶ必要がなく、非常に使いやすいところだ。

 

それと「専門科目」の過去問に取り組んでみて分かったこと。それは出題範囲の大半が道路、鉄道、港湾、砂防といった土木系がメインということだ。建築士の勉強とあまり被るところがなく苦戦した。土木の施工管理技士を持っている人なんかは取り組みやすいかも知れない。

 

「専門科目」の勉強は9月の一ヶ月間に集中してやると決めていたので、問題集に載っている12年分の「専門科目」の過去問だけをやりながら過ごした。期間が短いので、解説読んでも分からない問題は、すっぱり諦めて問題及び解説に大きくバツ印を付けて捨て問題とした。「専門科目」は35問出題され25問を選んで解答する選択制なので、分からない問題はとっとと捨てた方が効率的と判断した。

 

そして、いよいよ10月。本試験まで残り11日となる。その11日間は「基礎・適正・専門科目」の総復習に当て、ひたすら過去問を解いていた。

 

過去問の成績

10月の本場試験直前にやった過去問の成績は下記の通りとなる。

【H26年度】
①基礎科目

  • 設計・計画に関するもの…5問正解/6問中
  • 情報・論理に関するもの…2問正解/6問中
  • 解析に関するもの…1問正解/6問中
  • 材料・化学・バイオに関するもの…2問正解/6問中
  • 環境・エネルギー・技術に関するもの…3問正解/6問中

◇基礎科目合計
 13問正解/30問

 全問解答として(正答率43.3%)

「基礎科目」については、本試験では各科目6問中3問を選び解答する試験なので、選ぶ3問は当然自信がある問題になる。

 

仮に今回のH26年度の過去問を3問ずつ選んで解答したと仮定した場合の正答率は下記の通りになる。

  • 設計・計画に関するもの…3問正解/3問中
  • 情報・論理に関するもの…2問正解/3問中
  • 解析に関するもの…1問正解/3問中
  • 材料・化学・バイオに関するもの…2問正解/3問中
  • 環境・エネルギー・技術に関するもの…3問正解/3問中

◇基礎科目合計
 11問正解/15問

 選択解答として(正答率73.3%)

こう考えると正答率がグッと上がるが、果たして本番試験でもこう上手く行くかどうか…

 

次に「適性科目」と「専門科目」の結果は下記の通りとなる。

②適性科目

 12問正解/15問中(正答率80%)

③専門科目

 21問正解/35問、全問解答(正答率60%)

「適性科目」については全問解答の試験となる。一方「専門科目」は35問中、25問を選んで解答することになる。

 

当然これも「基礎科目」と同じように自信のある問題から選択して解答していくことになる。仮に25問選んだ場合の正答率に置き換えると下記の如くとなる。

③専門科目

 21問正解/25問選択解答として(正答率84%)

実際には、自信があっても間違えたり、その逆もあったりと、自分の考える通りの正答率にはならないが、それでも選択問題制と言うのは助かる。

 

さて、平成26年度の過去問以外の取り組み結果についても同様の考え方で書いておく。

【H25年度】
①基礎科目

  • 設計・計画に関するもの…6問正解/6問中
  • 情報・論理に関するもの…3問正解/6問中
  • 解析に関するもの…0問正解/6問中
  • 材料・化学・バイオに関するもの…2問正解/6問中
  • 環境・エネルギー・技術に関するもの…3問正解/6問中

◇基礎科目合計
 14問正解/30問

 全問解答として(正答率46.6%)

 11問正解/15問

 選択解答として(正答率73.3%)

②適性科目

 8問正解/15問中(正答率53.3%)

③専門科目

 20問正解/35問

 全問解答として(正答率57.1%)

 20問正解/25問

 選択解答として(正答率80%)

【H24年度】
①基礎科目

  • 設計・計画に関するもの…4問正解/5問中
  • 情報・論理に関するもの…1問正解/5問中
  • 解析に関するもの…1問正解/5問中
  • 材料・化学・バイオに関するもの…2問正解/5問中
  • 環境・エネルギー・技術に関するもの…2問正解/5問中

◇基礎科目合計
 10問正解/25問

 全問解答として(正答率40%)

 10問正解/15問

 選択解答として(正答率66.6%)

②適性科目

 9問正解/15問中(正答率60%)

③専門科目

 22問正解/35問

 全問解答として(正答率62.8%)

 22問正解/25問

 選択解答として(正答率88%)

【H23年度】
①基礎科目

  • 設計・計画に関するもの…5問正解/5問中
  • 情報・論理に関するもの…2問正解/5問中
  • 解析に関するもの…1問正解/5問中
  • 材料・化学・バイオに関するもの…1問正解/5問中
  • 環境・エネルギー・技術に関するもの…3問正解/5問中

◇基礎科目合計

 12問正解/25問

 全問解答として(正答率48%)

 10問正解/15問

 選択解答として(正答率66.6%)

②適性科目

 タイムアップで未回答

③専門科目

 17問正解/35問

 全問解答として(正答率48.5%)

 17問正解/25問

 選択解答として(正答率68%)

以上が、過去問の結果になる。

 

試験直前での私のレベルとも言える。科目別の正答率を見て貰えれば分かるが、最後まで「基礎科目」が苦手だった。

 

また、結果的に10月は4年分の過去問しか取り組めなかった。恥ずかしながらヤル気があまり出ず、小説ばかり読んでいて勉強時間を確保出来なかった。

 

試験本番

そして、いよいよ10月12日の本番試験を迎えた。試験場所は港区三田にある慶應義塾大学となる。

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試験は、午前中に「適性科目/1時間」、午後「専門科目/2時間」と「基礎科目/1時間」の順番だった。

 

試験会場の空調が効いておらず、午後の「専門科目」をやっている時に暑くて意識が朦朧としてしまった。途中、トイレタイムを取り気分転換したが、試験官がトイレ前まで付いてきたのには驚いた。

 

試験の感触については、「適性科目」と「専門科目」はそれなりだったが、問題は「基礎科目」、想像以上に時間がかかってしまい、試験官に「あと10分です」と言われた時点で最後の「環境・エネルギー・技術」の問題がまだ一問も取り組めていない状態だった。その時点で焦ってしまい「環境・エネルギー・技術」の三問を飛ばし読みで解くハメになってしまった。完全なる時間配分ミスだ。

 

答え合わせ

そして、試験当日の夜から「技術士補.com」というサイトで受験者達による試験の答え合わせが始まった。

 

さっそく私も、受験者達の解答をもとに答え合わをしてみた。以下がその結果となる。

①基礎科目

  • 設計・計画に関するもの…3問正解/3問中
  • 情報・論理に関するもの…2問正解/3問中
  • 解析に関するもの…1問正解/3問中
  • 材料・化学・バイオに関するもの…3問正解/3問中
  • 環境・エネルギー・技術に関するもの…2問正解/3問中

◇基礎科目合計
 11問正解/15問中(正答率73.3%)

②適性科目

 12問正解/15問中(正答率80%)

③専門科目

 12問正解/25問中(正答率48%)

「基礎科目」と「適性科目」は、この通りいけば文句無しの点数だ。想定以上と言えた。逆に「専門科目」は、厳しい結果だった。とは言え、解答が割れて正解・不正解どちら分からないものは不正解としてカウントしているので、この時点で2問くらいはプラスになる可能性は秘めていた。

 

「専門科目」の正答率が50%を切っていたが、実際のボーダーラインは「基礎科目」と「専門科目」の各々で40%以上正解、かつ、合計で50%以上の正解と言われているので、この時点で私の点数を見ると「基礎科目・専門科目」を合わせると23問正解/40問中(正答率57.5%)となり、十分合格の可能性はあった。

 

そして、本試験から一週間後の10月19日、日本技術士会のホームページに正式な解答がアップされた。

①基礎科目

  • 設計・計画に関するもの…3問正解/3問中
  • 情報・論理に関するもの…2問正解/3問中
  • 解析に関するもの…1問正解/3問中
  • 材料・化学・バイオに関するもの…3問正解/3問中
  • 環境・エネルギー・技術に関するもの…2問正解/3問中

◇基礎科目合計
 11問正解/15問中(正答率73.3%)

②適性科目

 14問正解/15問中(正答率93.3%)

③専門科目

 14問正解/25問中(正答率56%)

技術士補.comでの採点のときより、「適性科目・専門科目」共、2点ずつ点数が上がった。この時点で50%を下回っている科目はなかったので一安心した。しかし正式な合否結果については12月まで待たねばならなかった。

 

合格発表

そして12月16日、運命の合格発表日。

公益社団法人 日本技術士会のホームページに合格者の受験番号がアップされるので、チェックし、無事に合格してることを確認した。後日、郵送でも合否結果が送られてきた。

 

最後に

技術士一次試験に合格すると「修習技術者」となり「技術士補」になる資格を有することになる。しかし「技術士補」となるためには、公益社団法人日本技術士会に登録の申請をする必要があり、登録免許税15,000円及び登録手数料6,500円がかかるため、私は登録するのを止めた。

 

まとめ

この技術士一次試験は、過去問のみの勉強で十分合格点に達することが出来る試験である。と言うか過去問以外の勉強は非効率かと思われる。ついつい物理や化学の基礎に立ち戻って勉強しようかと思ってしまうが、試験に受かることだけを考えると、それは時間の無駄だろう。

 

また、一次試験のキモは、やはり選択問題制にある。難問とそうでない問題のバラつきがあるので、解説読んでも理解出来ない問題はすっぱり諦めて他の問題の理解度を上げた方が賢明と言える。

 

何にしても、過去問を繰り返し解くことで、理解度の底上げをすることが合格への道筋である。

 

勉強にかけた時間

2015年7月下旬から10月上旬までの約二ヶ月半。トータル勉強時間は52時間だった。この期間に次から次へと小説を読み更けっていたため勉強時間はかなり短い。

 

勉強にかけた費用

  • 一次試験受験料:11,000円
  • 技術士第一次試験問題集 基礎・適性科目パーフェクト 2015年版:2,200円+税176円
  • 平成27年度版 技術士一次試験【建設部門】専門科目受験必修過去問題集<解答と解説>:2,700円+税216円
  • 平成27年度版 技術士第一次試験「基礎・適性」科目必須問題150問:2,200円+税176円
  • 合計金額:18,668円

 

以上、技術士一次試験の勉強記録となる。受験を考えている方の参考になる部分が少しでもあれば幸いである。

 

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