+αな暮らし

メーカーでインハウスのファシリティマネジャーとして建築・不動産に関する仕事をしています。このブログでは建築・不動産・施設管理系の資格挑戦についてと、革製品を始めとした愛すべきプロダクトについて書いています。

2024年(令和6年)一級建築士 設計製図試験当日のこと

10月13日(日)天気は晴れ。

とうとう一級建築士 設計製図試験の日が来た。

どれだけ課題を解いても自信に繋がらない。だけど3月にパーフェクト本科が開講してからの600時間に及ぶ勉強で確実に実力は付いているはず。先生からも「◯◯さんは大丈夫ですかね。知識もあるし」と言われている。あとは自分の実力を発揮するだけだ。

 

出発

朝7時起床。妻が握ってくれたおにぎりを食べる。そして8時半になり家を出る。妻が駅まで見送ってくれた。行ってくる。

 

試験会場となる芝浦工大 大宮キャンパスがある東大宮駅に9時20分頃到着した。

周りは製図板を持った受験生ばかり。そして駅から芝浦工大までの道中、総合資格や日建の人たちが立ち並んでいた。私の営業担当も見かけたが人が多くて声をかけられず…

 

駅から歩いて20分。芝浦工大に到着。

f:id:k-est:20241013182321j:image芝浦工大 大宮キャンパス

ここに通うのも3回目。三度目の正直で何とか合格したい。

 

そして10時になり会場の案内が張り出され各々教室へ。

偶然にも日建学院で同じクラスの人が前の席だった。ペコリと軽く挨拶を交わす。

 

本試験開始

10時45分になり問題文や解答用紙などが配布され試験の注意点などが説明された。

 

課題文読解〜エスキス

11時になり試験開始。

特殊出題はあるか?あった。免震構造だ。免震は日建の課題でも一回しかやっていないぞ。さらには私が大の苦手としている面積指定なし、階数指定なしだ。一昨年の事務所ビルの悪夢がよぎる…

要求室の条件もいやらしい。製図室を基準階各階に設け合計700m2以上だと⁉︎ さらには段床形式の300人が入る講堂(面積適宜)もある。そして管理部門は事務室以外ほぼ指定がなく自分で考えて設ける必要がある。フリーダムすぎる…

 

要求室の面積が50m2以上のものが多かったためスパン割はX方向8m(1スパンだけ7m)Y方向7mとした。敷地のヘリアキは車椅子使用者駐車場が配置される東側のみ6m、他は全て3mとした。免震のエキスパンションジョイントのスペースを考慮すると、このスパン割は間違えていないはず。

 

さて続いて高さの確認だ。北側と南側は隣地、東側は6m道路だが、西側が幅員80mの駅前広場となっており「道路法上の道路である」と注釈が書かれている。この80mを道路と見なすなら、敷地全体が2A以内に含まれるため実質6m道路の斜線がかからないということだな。(実際は2Aかつ35m以内でないといけないので、ガッツリ6m道路の斜線がかかるが、この時は完全に頭から飛んでいた)

 

基準階の階数については頭を悩ませた。当初基準階を3層にするも、スペースが厳しいと判断し途中から4層に変更。6mの道路斜線が発生しないなら何ら問題あるまい。(この時点で既に終わっているが気付いていない)

商業系地域なので隣地斜線も問題なし。方位マークが「真北」となっているが、用途地域的に北側斜線は発生しない。惑わされぬ。

 

あと問題は事務室以外指定がない管理部門を決めねばならない。職員トイレ、最低限の倉庫は必要として、あとは更衣室に医務室あたりか… そういえば教務室がないじゃないか。日建の課題では必ずと言っていいほど教務室が設けられていたぞ。しかもかなり大きい面積で。今回の課題も3年生や4年生、大学院生用となっているし就職支援などを行う教務室は必須ではないか。きっとそうだ。設けなかったら大減点に違いない。そうして教務室はいるものとしてプランニングに進めることにした。

 

しかしプランニングで難航。大人数が利用する講堂は1階として、どうしても教務室が収まらない。一方で2階が比較的スペースに余裕があったことから何だか変だなと思いつつ、2階に教務室を設けることにした。

 

最終的に約2時間15分でエスキスを切り上げ記述へ。

 

記述

幸い記述はそれほど頭を悩ます問題はなかった。

免震構造の図を描かねばならなかったが、何回か自主的に練習していたので描くことができた。配慮した点なども書けたのでおそらく問題ないだろう。

 

一昨年同様、屋上レイアウト図も求められたが、こちらも自主練していたので無事描き上げることができた。

 

免震のイメージ図で少し時間を取られたが1時間ジャストで記述を完成させることができた。エスキスで時間かかった分、記述で巻き返したかったが致し方ない。それにしても文字が汚い。殴り書き的な感じになってしまった。記述は意識して丁寧に書くと決めていたのだが、エスキスが難航したのと、作図で時間を取られそうな予感がしたので焦ってしまい、結局は殴り書きになってしまった。

 

作図

作図を進めている途中に屋上庭園の設置階を間違えていることに気付いた。課題文の指定は3階だが、2階に描いてしまっている。幸い比較的序盤で気付いたため大した時間ロスにはならなかった。

 

それにしても描き間違いが多い。消しては描いてを繰り返し、気付いたらかなり時間が経過していた。練習のときはこんなに描き間違いしないのに、これも本番、しかもカド番のプレッシャーか。ヤバい、什器等のレイアウトまで描いていたら終わらないかも… 途中から什器のレイアウトはかなり端折り、トイレも便器の配置など描く余裕がなく文字だけとした。

 

そして残り時間45分くらいで断面図に取り掛かる。免震で階数多いし講堂の傾斜床も描かないといけない。いつもより断面図も時間かかるはず。焦りながら各階の下書き線を引いていく。ここで異変に気付いた。あれ? 6階建てだと断面図のスペースに描き切れないぞ。基準階平面図の枠内に突入してしまう。そんなことあるか… 6階建てという選択が間違いだったのか。一瞬呆然とするも手を止めるわけにはいかない。基準階平面図に食い込ませながらなんとか描き上げた。そして道路斜線を書き込む………ガッツリ当たるやん! エスキス序盤の駅前広場80mの2Aに入ってることにより斜線に当たらないという勘違い(35m外)に最後の最後に気付いた。今度こそ本当に茫然自失。そしてそのまま試験終了となった。

 

終わった… 最後のカド番試験が道路斜線に当たるという初歩的なミスで終わった。道路斜線なんて日建学院の練習課題でも当てたことないのに…

 

日建学院での再現エスキス

本試験が終わったら日建学院に戻り、その日の内に1/200で再現エスキスを描いて提出するよう言われていたため、学校に戻ることにした。

駅まで歩きながら妻にダメだった報告をした。

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日建学院に戻ると営業担当が出迎えてくれた。

営業担当「どうでしたか⁉︎」

自分「駄目でした。道路斜線当てちゃった」

営業担当「えー! 何で…(絶句)」

 

教室に入るとすでに先に戻ってきた数名が記述と再現エスキスに取り組んでいる。

気が重いが私も取り掛かることにした。まずは記述から… イメージ図の復元含め記述をもう一回書くのはかなりめんどくさい。結局1時間近くかかってしまった。

 

その後、再現エスキスに取り組んだ。再現エスキスは作図同様1/200で描くという指示だが、あくまでもエスキスの拡大版なので壁は単線でよく、什器なども省略することで1時間程度で描きあげて事務局に提出した。

f:id:k-est:20241016073154j:image再現エスキス

 

最後に

帰りの電車の中で改めて問題文を振り返ってみた。

東側の6m道路の斜線が生きていることが分かれば自ずと階数は5階建てというのが分かる問題だった。そうすれば製図室700m2以上も単純に基準階3フロアで割るだけなので1フロア当たり250m2程度確保すれば良いと分かる。同じく研究室18室も3フロアで割って6室ずつ配置して… 最後まで教務室が必要だったのかは分からなかったけど、あとになって考えるとそれほど難しい問題ではなかったのではないか…

 

最大幅員を有する道路Aの2Aかつ35m以内というのは普通に頭に入っていた。なのに抜けた。そして自分で問題を難しくした。

きっと練習だったらこんなミスはしなかったのだろう。結局本番の空気に飲まれ、普段しないようなミスを平気でしてしまった。あれほど焦らないと自分に言い聞かせていたのに焦ってテンパってしまった。

 

今年は約600時間ほど製図試験の勉強に費やした。去年、一昨年も含めると軽く1,000時間は超えている。これだけやって駄目だったということは私には縁のない資格だったのだろう。

 

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