今回紹介する革靴は、Berlutiのアイコン的モデルとも言えるホールカットシューズ「Alessandro 」だ。
見よ!
この圧倒的存在感!
えっ、分からない?
それでは更にズームして見る。🔍🔍🔍
そう!ノルヴェージェ製法のアレッサンドロなのだ。
そも、ノルヴェージェ製法とは何ぞや、という諸兄のためにまずは製法の説明をしたい。
ノルヴェジェーゼ製法 Norwegian Process
ノルヴェジェーゼ製法はイタリアのブランド「ステファノ・ブランキーニ」で開発された。
中底と甲革をすくい縫いしたあと、折り返した甲革と中板(ミッドソール)を出し縫いし、さらに中板と表底に出し縫いをかける製法である。
通常、甲革は靴の内側に入れ、中底と一緒に靴の内側で縫いとめる。しかし、ノルヴェジェーゼ製法では甲革の端を外側に出したままにしておく。(「Shoe School in Italy 〜靴の製法〜」より引用)
このノルヴェージェ製法のアレッサンドロは前々から欲しかった靴で、現在は作られていない。そのため地道に探していたところ、ネットオークションでサイズが合うものが出品されていたので、多少使用感があったもののポチり合戦を制して落札したわけだ。
色目と相まって、なんともオーラがある。
なんか…革が肉々盛々してるね。
ベルルッティ特有のヴェネチアンレザーに茶系のパティーヌが施されており、ゴツいノルヴェージェ製法ではあるが、デザインがホールカットなので、意外とビジネスでも普通に履けるかも。
定番のコバ側面のBマーク。ノルヴェージェ製法のダブルソールなので、さぞ返りが悪かろうと思いがちだが、実際に履いてみたところ柔らかな歩行感で非常に快適だった。
インソール&ライニングはそれなりに使用感あり。
さて、そんなアレッサンドロだが、ソール保護のため、北浦和の靴修理店Gatoさんへ持っていった。
そしてハーフラバーを貼ってもらった。
いつもながら丁寧な仕事だ。
ソール保護も終わったので、先日、意気揚々とデビューさせたのだが…
合うと思っていたサイズが、意外と大きかった。サイズは6なので、24.5cmの私の足に大体合うだろうと考えていたのだが、踵に1cmくらいの余裕があり、羽根も閉じ切ってしまう状態であった。
そのため、非常に悩んだものの、せっかく手に入れたノルヴェージェアレッサンドロではあるが、オークションで出品することにした。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/j608505292
前述の通り、高度な技術が必要となるノルヴェージェ製法のアレッサンドロは今では廃番となっている。そのため、非常に希少価値の高い逸品と言えるだろう。オーダーで手に入れるとなると、現在価格で32万円程+廃番品のチャージアップがかかり、40万円〜50万円は必要になるモデルだ。サイズの合う方はこの機会に是非どうぞ!
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