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【資格】ちょっと面倒くさい容積率の算定問題についての話し

どーもESTです。

一級建築士の勉強ですが、法規から始めて、現在、「容積率の算定」問題を取り組んでいます。

この問題は法規なのに多少計算が必要な面倒くさいやつです。

と言っても計算自体は簡単なんですけど、ステップを踏んで解いていかないといけないので面倒なんです。法規の試験は往々にして時間が足りなくなるので、手間のかかる容積率問題は嫌われがちです。当然ながら、私も嫌いです🙅‍♂️

 

しかしながら、ちゃんとステップを理解して解いていけば必ず解ける問題でもあるので、ここは一つ、備忘録的に解き方ステップを書いておきます📝

 

【CONTENTS】

 

出題例(H28-法規No.15)

まず、容積率の算定問題は下の写真のように概要図付きで出題されます。

f:id:k-est:20180913125216j:image

ちなみにこの画像の問題と解答の選択肢は以下のとおりです。

図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の容積率(同法第52条に規定する容積率)の最高限度は、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定、許可等は考慮しないものとする。(H28-法規No.15)

この問いに対する選択肢は…

1. 42/10

2. 48/10

3. 50/10

4. 55/10

となっています。

容積率の算定問題は、このように容積率の最高限度を問う問題と、もしくは延べ面積の最大値を問う問題の大きく二つに分かれます。

 

ちなみに上記の問題に対する正解は、2番目の「48/10」になるのですが、ここから、具体的な解き方のステップを書いておきます。

 

ステップ1. 前面道路の幅員確認(法52条1項、2項)

■前面道路幅員が12m以上

   →指定容積率(Vs)が容積率の限度となる。

■前面道路幅員が12m未満

   →指定容積率(Vs)前面道路幅員による容積率(Vd)を比較していずれか小さい方の数値とする。

ここでいう前面道路とは、前面道路が2つ以上ある場合は最大幅員を選ぶことになります。

また、指定容積率(Vs)とは都市計画で定められた数値となり、基本的には問題文の概要図内に記載されています。

 

このステップ1で、 仮に前面道路幅員が12m以上だった場合、この後のステップ2〜5はやる必要がなくなり、いきなり敷地面積に指定容積率(Vs)を掛ければ延べ面積の最大値がでます。しかし問題として、そんな簡単に終わるハズもなく、基本的には前面道路幅員は必ず12m未満で出題されステップ2以降に進むことになります。

 

ステップ2. 特定道路による前面道路幅員の緩和(法52条9項、令135条18)

ステップ2では、ちょっと計算が発生します🧐

まず、付近に特定道路があるかどうかを確認します。ここでいう特定道路とは幅員15m以上の道路を指し、三つの条件を確認することになります。

幅員15m以上の特定道路がある

②前面道路幅員が6m以上12m未満である

③敷地が特定道路から70m以内の距離である

この3条件を満たした場合、下記の計算式により、前面道路幅員が緩和される数値を算出することになります。

前面道路幅員の緩和Wa=(12-特定道路へ接続する前面道路Wr)×(70-特定道路から敷地までの距離L)/70

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算定結果で出た数値が前面道路幅員に加算される数値になります。

 

それでは実際に、前述のH28-法規No.15問題を元に計算してみましょう。

前面道路幅員の緩和Wa=(12-特定道路へ接続する前面道路Wr8.5)×(70-特定道路から敷地までの距離L20)/70

(12-8.5)×(70-20)/70 = 2.5m

この2.5mが前面道路8.5mに加算される数値になりますので、前面道路は8.5m+2.5mで11mと見なされることになります。

 

ステップ3. 前面道路の最大幅員確認

ステップ3はシンプルです。敷地が接している前面道路のうち、最大幅員がいくつか確認するだけです☺️

H28-法規No.15問題を例にとると、前面道路は特定道路に接続する北側が8.5m、西側道路は9mとなっており、最大幅員は9mと思ってしまいがちですが、ここでステップ2の加算が出てきます。特定道路に接続する北側道路は特定道路による幅員緩和を受けているので、8.5mに緩和2.5mが加算され11mと見なされています。

なので、ステップ3の前面道路の最大幅員は11mが正解です。

 

ステップ4. 前面道路最大幅員による容積率Vdの計算(法52条2項)

ここでもちょこっと計算が出ます🤔

まずは下記の計算式を暗記_φ(・_・

《住居系》   前面道路最大幅員×4/10

《非住居系》前面道路最大幅員×6/10

ここでいう住居系や非住居系は用途地域のことになります。

例えばH28-法規No.15の問題だと、概要図上、敷地の真ん中できれいに右左で用途地域が分かれており、左側が第一種住居地域(以下、一住)なので住居系、右側が商業地域(以下、商業)なので非住居系に分類されます。

なので、前面道路最大幅員による容積率Vdの算定は…

《一住》11m×4/10 = Vd 44/10

《商業》11m×6/10 = Vd 66/10

となります❗️

 

ステップ5. 容積率の限度の決定(法52条1項、2項)

いよいよここで容積率が決まります☺️

ここは簡単で指定容積率Vsと、前面道路幅員による容積率Vdを比較して、いずれか数値の小さい方を採用するだけです。

ステップ1でも述べたとおり、指定容積率Vsは問題文(概要図)内に明記されており、前面道路幅員による容積率Vdはステップ4で出た数値になります。

ここでも実際にH28-法規No.15の問題で解いてみます。

《一住》指定容積率Vs 30/10<前面道路幅員による容積率Vd 44/10

《商業》指定容積率Vs 70/10>前面道路幅員による容積率Vd 66/10

結果、容積率の限度は、一住が30/10、商業が66/10となりました。

ちなみに、H28-法規No.15の問題は容積率の算定限度を問う問題で、正解は48/10と言いましたが、先ほどの一住30/10と、商業66/10を加重平均した値になります。敷地面積のど真ん中できれいに一住と商業で分かれているので単純に30+66/2すれば48という数値が導き出されます。

これにて、H28-法規No.15問題は終了です。

めでたしめでたし☺️

 

となるパターンが容積率の最高限度を問う問題です。

最初に述べた通り、もう1パターン 延べ面積の最大値を問う問題の場合もあります。

そちらの場合は、まだステップが続きます。

 

ステップ6. 敷地面積の計算

これは大したことありません。単純に敷地面積を計算するだけです。問題の概要図に敷地の長さは書かれていますので、掛け算するだけです。

H28-法規No.15問題は容積率の限度をだして終わりでしたが、仮に延べ面積の最大値を問う問題だった場合を仮定して進めてみます。

一住も商業も25m×40mでしたので、どちらも1,000m2になります。

 

敷地面積の計算で気を付けることとしては、前面道路が幅員の狭い2項道路の場合は、道路中心線から2m後退した部分は敷地面積に算入されないため、その分を差し引く必要があります。

同じ前面道路が2項道路で、かつ道路の反対側が川であった場合は、道路の反対側の境界線(川との境界線)から4mが敷地境界と見なされますので、その分も面積から引かないといけません。

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ちなみに延べ面積の最大値を問う問題の場合は、当然このステップ6の敷地面積を計算する必要があり、大体が2項道路に接しているパターンですので注意が必要です🤨

 

ステップ7. 延べ面積の最大値(法52条1項)

いよいよ最終ステップです。ステップ6で計算した敷地面積と、ステップ5の容積率の限度を掛けます。これもH28-法規No.15問題を例に計算してみます。

《一住》敷地面積1,000m2×指定容積率Vs 30/10=3,000m2

《商業》敷地面積1,000m2×前面道路幅員による容積率Vd 66/10=6,600m2

3,000m2と6,600m2を足した9,600m2が延べ面積の最大値となります。

 

このステップ7でも気を付けることがあります。それは算入適用床面積の有無の確認です。

具体的には、

①住宅、老人ホーム等の地階部分(建築物全体の1/3までを限度として算入しない)

②自動車車庫等の部分(建築物全体の1/5までを限度として算入しない)

③備蓄倉庫・蓄電池設置部分(建築物全体の1/50までを限度として算入しない)

④自家発電設備・貯水槽設置部分(建築物全体の1/100までを限度として算入しない)

⑤エレベーターの昇降路、共同住宅の共用廊下・階段(該当部分の全面積を算入しない)

これらの部分がある場合は、あらかじめ問題文の文章に明記されていますので、計算した延べ面積の最大値に加算することを忘れないようにしないといけません。特に⑤のエレベーター昇降路ありはよく出題されます。

 

 

さて、これにて長々と書いた容積率の算定問題についての解き方ステップは終了です。

容積率の算定問題は毎年必ず出題される感じでもなく、大体が建ぺい率の算定問題と交互に出題されている感じです。つまりは2年度に1回程度1問出るかどうか、といった問題です。それでも捨てる訳にはいかないので、解き方を覚えておかなくてはなりません🧐

 

次は建ぺい率の解き方でも書いてみます。

長々と長文にお付き合いいただきありがとうございました🙇‍♂️