我が家(鉄筋コンクリート造のマンション4階部分)で昨年の6月に雨漏りが発生した。
その原因調査から補修まで驚くほど時間がかかったので、事の成り行きを記事にしてみることにした。
【CONTENTS】
雨漏り発生
23.6.3(土)
前日の大雨によるものと思うが、土曜日の朝、起きたら畳の上に水が滲み出ていた。
すわ、一大事!と畳をめくったところ、畳の下は水浸し状態であった。
水は壁と床の隙間から滲み出てきている感じだった。
マンションの管理会社へ電話し、取り急ぎ状況を伝えた。土曜日だったこともあり、月曜日以降、しかるべき対応を取ってもらうことになった。
ここまでの事は以前の記事で詳しく書いた。
雨漏り後の対応
23.6.3(土)管理会社手配業者の現地確認
雨漏りしたその日の内に管理会社が手配したリフォーム業者がやってきた。とりあえず写真を撮って管理会社へ報告するためと、仮養生だけしていくとの事であった。
現時点では原因はハッキリ分からないものの外壁からと想定し、雨が染み出してきている箇所の外壁部分にブルーシートを養生テープで貼り、室内側は吸水シートを置いていった。
23.6.4(日)保険会社へ電話
自分で入っている火災保険(家財)が畳交換をする際に適用されるか、保険会社へ確認の電話を入れた。
その場では分からず、月曜日以降、折り返し連絡が来ることになった。
23.6.5(月)管理会社からの電話
管理会社から電話があった。
曰く、雨漏りの原因が外壁や屋根からであればマンションの保険が適用できるだろうと言うことだった。畳の交換費用も保険で賄える可能性はあるが、6畳間全部の交換費用が出るかは保険屋次第で、実際に濡れた2畳だけの可能性もあるとのことであった。また、雨漏りの原因がエアコンのスリーブ(パテに隙間がある等)だった場合はマンションの保険が適用出来ない可能性が高く、その時は自分で入っている火災保険での対応となるそうだ。それと、一昨年、大規模修繕を行った設計事務所と工事業者に私の連絡先を伝えて良いか聞かれたので、承諾しておいた。
その日の内に設計事務所より電話があった。
大規模修繕を行なった工事業者と一緒に現地確認に行く。日程調整中のため、しばしお待ちいただきたいとのこと。水が外壁と床の入り隅みになっているところから染み出してきたと伝えると、外壁側の目地のシーリングからかも知れないと伝えられる。
23.6.6(火)保険会社からの電話
自分で入っている火災保険の会社から電話があった。
外壁や屋根のクラックなどからの染み込みによる雨漏りは保険の対象外と伝えられた。
火災保険の中に「水災」という項目もあるが、これは洪水などにより排水しきれず膝丈くらいまで水がきてしまったときなどに対象となるものだそうだ。また「風害」という項目もあり、台風などにより屋根がめくれるなどして、そこから雨が入ってきてしまった場合は対象となるそうだ。
何にしても、設計事務所と工事業者による調査の結果、原因が分かり、破損などしていてそこからの侵入であれば保険が適用されるかも知れないので、その際は改めて電話することになった。破損ではなく、外壁や屋根の経年劣化によるクラック等からの雨漏りであった場合は対象外なので電話は不要とのことであった。
23.6.7(水)設計事務所&工事業者の現地確認
午後、設計事務所と大規模修繕をおこなった工事業者が来宅。バルコニーに出てリフォーム業者が養生したブルーシートを外し外壁を細かくチェック。しかしながら雨漏りしそうな怪しい箇所はなし。それでは上からかと、上階のルーフバルコニーを確認するもこちらも怪しいところはなし。一昨年、大規模修繕が終わったばかりなので、防水関係はしっかりしており全く劣化していないようだ。うーむ。分からぬ… 建築のプロ2名が首を捻って悩んでいた。一旦持ち帰って検討する、とのことだったので、解決まで時間を要しそうだ。とりあえず、外壁の養生をしっかり復旧してくれたので、大雨が降ったときに雨漏りが発生しなかった場合は外壁からだった可能性が高い。
外壁養生状況
設計事務所で対応を検討してもらいつつ、雨が降った時に漏れるかどうか注視することにした。
23.6.9(金)雨漏り状況の確認
昨夜、それなりの雨が降っていた。朝起きてから確認すると、またもや雨漏りしていた。
雨漏り状況
やはりコンセントの下辺りから漏れているようだ。外壁を確認しても養生シートは剥がれたりしていない。
自分なりにエアコンのダクト周りも見てみたが特に問題はなさそうだ。
少なくとも養生シートより上の外壁か、ルーフバルコニーから侵入してきている可能性が高いのだろう。とりあえず雨漏りした事実を管理会社のフロントと、先日見にこられた設計事務所の方にメールしておいた。
23.6.17(土)管理組合 理事長の現地確認
管理会社から連絡はいっているかもしれないが、マンションの管理組合へ情報共有しておいた方が良いだろうと思い、理事長宅を訪問した。そうしたところ現場の確認をしたいとのことで、逆に来ていただけることになった。
理事長とは初めてお会いしたが、60代半ばくらいだろうか、背は高くないがガチッとした体格でエネルギッシュな方だった。
来られるなり、バルコニーへ出て外壁やサッシ周りのシールが切れてないか確認をし始める。話している内容がやたら専門的なので、聞いてみたところ現役時代はゼネコンで働いていたとのこと。そんな理事長の目から見てもやはり怪しいところはなく、難しいですね、と仰っていた。
理事長と話をしているときに前回現場を見に来られた設計事務所の担当から携帯に電話が入った。前回の確認から時間がかかっていることをお詫びされつつ、現在調査方法を検討しているとのことだった。
理事長からも時間がかかりそうだね、と言われるが、とりあえず管理組合に情報共有できたので、今日のところは良しとする。
一ヶ月以上が経過…
23.7.16(日)エアコン取付業者の現地確認
理事長が見に来られてから早一ヶ月。管理会社からも設計事務所からも放置され、この間、何も連絡が無かった。こんなに対応悪いものなのかな。
そんな折、妻からエアコンが原因かも知れないからエアコンを買った家電量販店のノジマに話をしに行こうと言われ、ノジマに行き事情を話したところ、実際に取り付けをした工事業者に見に行かせるという話になった。
そして7/16(日)の朝一で工事業者が来宅。大雨の日に雨漏りするも原因が分からないこと、設計事務所や建設会社が見に来るも外壁や屋根上の防水に異常はないことを伝え、可能性の一つとしてエアコンの取付状況を確認して欲しいことを伝える。しかし、何を思ったか室内機側から水を差し、水漏れしないか確認し始めた。エアコン使ってないし、大雨の日に漏れたからエアコンの水漏れは関係ないと言うも「念のため」とのこと。何に対する念のためなのか分からない。室内機からの水漏れがないことを確認した後、やっと外回りを確認し始めた。
私が購入したパナソニックのエアコンはお掃除機能が付いており、内部の埃を外に掃き出す機能が付いているため、ダクトカバーに穴が開いている。下に開いているため普通の雨ではカバー内部に水が入ることはないが、横殴りの雨などの場合、水が入る可能性はあると考え、カバーを外してもらう事にした。
パテ状況
隙間埋めのパテが雑。隙間もあるし、ここから水が入り込んだのではないか、工事業者に意見を求めると「そんな話し今まで聞いたことがない」「パテの状況も問題ない」とのことであった。
そんなに気になるならパテをやり直すと言って直して貰ったのがこちら ↓
パテ補修後
普通、こんな感じだよね… って、作業が終わってから気が付いたが、直してしまったらエアコンが原因だったか分からないのでは… 直す前にホースなどで水をかけて実際に漏れるか調べるべきであった。後の祭り。
作業を終えて工事業者は帰っていったが、もやもや感だけが残った。
しかし、後から冷静に考えると、パテが甘くて水が入った場合、漏れ方が違うのではないだろうか…
スリーブ参考写真:ネットから拝借
上の画像のようなスリーブが入っていると、仮にパテ埋めが甘いことにより水が侵入したとしても、スリーブ内部を伝い、そのまま室内側に水漏れするはずである。
今回の雨漏りは壁と床の間からじわじわ染み出してくることから、おそらく外壁と内壁の間の空洞部分を伝ってきていると推測される。そうするとエアコンスリーブからの雨漏りは可能性が低いかも知れない。もしスリーブが入ってなく、キャップのみだった場合は今回みたいな漏れ方になる可能性はあるが、工事業者が帰ってから気が付いたので、スリーブがちゃんと入っていたかどうかも確認が取れていない。
何にしても、いずれ設計事務所から調査方法の提案があるはずである。内壁を壊すことも考えている、と言っていたので、もしエアコンスリーブから漏れていた場合は何かしらの水跡なりが見つかるのではないだろうか。
さらに一ヶ月が経過…
大規模修繕を行なった設計事務所&施工会社から連絡がないまま、時だけが無常に過ぎていく。最後に設計事務所の担当者と電話で話しをしたのが、理事長が来宅した6/17だったので、それから丸々二ヶ月以上放置されている。雨漏りしてからは三ヶ月経つ。マンションの管理会社からも何も言ってこないし、対応悪過ぎんか…寝室として使っていた部屋が使えなくなっているこちらの身にもなって欲しいところだ。
23.9.8(金)設計事務所からのメール
台風13号の影響で久しぶりに大雨となった。そしてまた雨漏りが発生した。
雨漏り状況
エアコンのパテを直してからの雨漏りとなるので、原因は別にあるようだ。エアコンだったらどうしようと考えていたので、少しホッとした。
そして、同日、設計事務所の方からショートメールが届いた。内容は下記の通りである。
「大変ご心労お掛けして申し訳ございません。
⚫︎⚫︎工業さん(大規模修繕を行った施工会社)の都合がやっとつきました。こちら側の勝手な都合で恐縮ですが、27日か28日の午前中に伺い、内装壁を剥がして確認したいのですが、ご都合いかがですか?」
やっと調査日の連絡が来た。とりあえず27日で返信しておいた。
23.9.27(水)設計事務所&工事業者による内装剥がし調査
大規模修繕を行った設計事務所と工事業者が雨漏りの確認に来てから三ヶ月弱、ようやく雨漏りの原因を探る調査日となった。
調査方法は内壁を壊して、水跡や染みを目視確認し、侵入元を特定しようというものだ。
10時になり設計事務所の担当者と建設会社の監督が作業員2名を連れて来宅。まずは和室の養生から始め、その後、石膏ボードへのサンダーによる切り込み〜解体が始まった。特にサンダーによる切り込み作業は音と粉塵がすごかった。
ボードを撤去すると、コンクリート一面に断熱材が吹きつけられており、その断熱材も外すこととなった。
内装剥がし後
4分の1程度、断熱材を外したところでコンクリート面が綺麗なことが分かり、それより上の断熱材は外す必要がないだろうとの結論に至った。
コンクリート面は綺麗で、断熱材にも目視で分かるような水跡、染みがないことから、このままの状態で雨が降るのを待ち、実際にどこから水が出てきているか確認し、改めてこちらから連絡することとなった。
この原因調査は以前、詳しい内容を下記の記事で書いた。
23.10.4(水)雨漏り状況の確認
夜中のうちに結構な雨が降っており、朝起きて確認すると、雨漏りを確認することができた。
雨漏り状況
やはり床と壁の隙間から滲んできている。これはもう外壁からで間違いないだろう。おそらくタイルの目地に細かいクラックなりがあり、そこから染み込んできているのではなかろうか。
とりあえず、雨漏りの状況を写真に撮り、設計事務所の担当者へメールしておいた。
それから二ヶ月が経過…
内壁を剥がす調査を行い、その後の雨漏り状況を設計事務所へメールしてから二ヶ月が経った。驚くべきことにこの間、設計事務所や管理会社から何も連絡がなかった。こちらから度々連絡するのも癪なので、どこまで待たされるのかあえて放置していたが、まさか二ヶ月も連絡がないとは思わなかった。
この間、月一で行われているマンションの理事会の議事録(毎回、全戸に議事録が配布される)には「住戸の漏水に対し修理見積中」と書かれていたので、一応動いているみたいだが、実際に被害を受けている私に対して進捗の連絡がないことが問題だろう。
23.12.27(水)設計事務所からの電話
年末年始休みに入る仕事納めの日に設計事務所の担当者から二ヶ月振りに電話が入った。
内容は時間がかかっていることへのお詫びと、外壁の補修工事を1月中旬〜下旬に予定しているとの連絡であった。
補修工事実施
24.1.17(水)〜 1.26(金)
年が明けて2024年となり、1/17からやっと外壁修繕が始まった。
組まれた足場
雨漏りの原因が外壁の目地などの細かいクラックなどからと想定し、工事内容は外壁に防水材を塗布するというものであった。明確にどこから漏れているのか分からないため、ある程度広範囲に防水材を塗るようだ。パッと見で分かる防水材ではないらしく、外観は損なわないとのことであった。尚、修繕費用はマンションの修繕積立金で対応するようだ。
施工後。防水材が塗られ艶が出ている。
外観は損なわないとのことであったが、施工した場所とそれ以外ではやはり違いが出ている。
艶あり、艶なしで見分けが付くが、これくらいは致し方ないのかも知れない。
足場がバラされ、外から見たときにどれくらいの違いがあるのかが気になるところだ。
それよりも、ブルーシート養生を止めていたテープ跡をそのままにして上から防水材を塗られてしまったのにはビックリした。
普通、テープ跡を綺麗にしてから施工するよなあ…
雨漏り補修後、二ヶ月が経過…
補修後、二ヶ月ほど様子を見た。途中、何回か大雨もあったが、室内に漏れてくることはなかった。どうやら本当に外壁からの雨漏りだったようだ。パッと見は分からないが、目地のモルタルなどに細かいクラックや隙間があり、そこから入り込んでいたのだろう。
もう大丈夫そうだったので、その旨、設計事務所の担当者へメールしておいた。
24.5.25(土)内装確認
雨漏りが収まったので、内装復旧に向けて、大規模修繕を行った工事業者の大工が現地確認のため来宅した。
壁紙(クロス)を採寸し、畳の状態なども確認していた。壁紙については部分張り替えで聞いているが、壁一面でも対応は可能とのことであった。
全く同じ壁紙が存在しないため、好きなものを選んでくれと、分厚い壁紙のサンプル帳を置いていった。
24.6.28(木)設計事務所の担当者から電話
設計事務所の担当者から電話がかかってきた。
どうやら管理組合から「入居者が壁紙及び畳についてどこまでの交換を希望しているのか?」と聞かれているようで、その確認のため電話してきたようだ。
とりあえず、希望としては壁紙も畳も全交換と伝えておいた。中途半端に変えると、交換しない部分と色味が変わってしまうためだ。
24.7.3(水)設計事務所&工事業者&管理会社フロントの現地確認
設計事務所の方と工事業者の方、そして管理会社のフロントが3人でやってきた。内装復旧に向けて改めて現場確認とどこまで復旧するか最後の調整をしたいとのことであった。
こちらからは既に電話で伝えている通り、壁紙は4面全て張替え、畳は汚損した2枚だけでなく、6枚全て交換を希望すると改めて伝えた。
三者ともこれまで多大な時間がかかってしまったことに対する負い目からなのか、壁紙全張替え&畳全交換で管理組合と調整するということであった。
24.8.19(月)
送って貰った壁紙と畳のヘリのサンプル帳を元にそれぞれ希望する品番を工事担当者に電話で伝えた。
内装復旧工事実施
内装復旧にかかる工期は三日間とのことであった。既存の壁紙剥がしと雨漏り調査のために破壊した下地ボードの復旧に一日、新しい壁紙張りで一日、畳の交換で一日という工程感のようだ。土日は潰したくなかったので、在宅勤務で家にいる日を中心に候補日を伝えたところ、9月6日(金)、13日(金)、25日(水)の三日間で復旧工事を行うことが決まった。
24.9.6(金)内装復旧工事一日目
雨漏り確認のため剥がされたボード復旧を行なった。この日は午前中のみで作業完了。
ビフォー
アフター
別角度から
目地部分のパテ埋めはクロスを貼る際に行うとのことであった。
24.9.16(金)内装復旧工事二日目
二日目は既存の壁紙剥がしと、パテ埋め。そして新しい壁紙貼りまでが行われた。
ダイナミックなエアコン外し
ボード隙間のパテ埋め
新しく張替えられた壁紙
新しく張替えられた壁紙
壁は四面とも新しく張替えてくれたのだが、元々扉は壁とは張ってあるクロスが違ったため、今回の補修対象外となり古いままとなってしまった。そのため扉の色褪せっぷりが際立つ結果となった。まあこれは仕方ない。
24.9.25(水)内装復旧工事三日目
最終日は雨漏りで汚損した畳の交換となる。実際に汚損したのは2畳だけだが、2畳分だけ入れ替えても残った4畳と色目が全然変わってしまうため、6畳全て交換してもらうこととなった。
既存の畳を剥がしたところ
搬入される新しい畳たち
交換後…
真新しい畳特有の井草の香りが凄い。良い匂いと言えるのだろうが、実際に寝室として使い始めるのはもう少し馴染んでからの方が良さそうだ。
兎にも角にもこの畳交換を持って、一年以上続いた雨漏り騒動は終了となる。
最後に
雨漏りしたのが昨年の6月なので、原因調査〜補修工事〜内装復旧まで一年と四ヶ月を要した。我が家は3LDKで雨漏りしていた和室を寝室として使っていたので、一年四ヶ月の間、寝室が使えない状態であった。じゃあその間どこで寝てたのかと言うと、リビングで寝ていた。
当初、フローリングに布団を敷いて寝るのに違和感があったが、今となってはすっかり慣れてしまった。前述の通り、和室は新しい畳の井草の匂いがキツいので、馴染むまでは今しばらくリビングでの就寝が続きそうだ。
今回の反省点としては、こちらから管理会社や設計事務所にしつこくせっつかなかったことだろう。管理会社や設計事務所が何ヶ月も放置している間(何かしら動いていたのかも知れないが、その間全く連絡がないので、実際のところは不明である)、私からも特に連絡はしなかったので優先度を下げられてしまったのかも知れない。
窓口となった設計事務所の動きも悪かったが、設計事務所に丸投げしてフォローをしない管理会社も良くないだろう。あんな管理会社に毎月高い管理費を払ってると思うと嫌になる。
【プロフィール紹介&当ブログについて】