D・カーネギーの「話し方入門」を読んだ。
【CONTENTS】
はじめに
著者のデール・カーネギーは日本でも有名過ぎるほど有名な人物ではなかろうか。代表作である「人を動かす」や「道は開ける」を書店で見かけた方も多いだろうし、実際に読まれた方も多々いらっしゃることと思う。
実はカーネギーの著作を読むのは今回が初めてなので、ちゃんと最後まで読み切れるか、いささか身構えた状態での読書となった。
本作の構成
本作は全12章から成り立っている。
- 第1章 勇気と自信を養う
- 第2章 自信は周到な準備から
- 第3章 有名演説家はどのように準備したか
- 第4章 記憶力を増進する
- 第5章 スピーチの成功に欠かせないもの
- 第6章 上手な話し方の秘訣
- 第7章 話し手の態度と人柄
- 第8章 スピーチの始め方
- 第9章 スピーチの終わり方
- 第10章 わかりやすく話すには
- 第11章 聴衆に興味を起こさせる方法
- 第12章 言葉づかいを改善する
基本的にどの章も豊富な事例を元にスピーチ上達に関するカーネギーの考えを解説している。事例についてはリンカーンに関する紹介が多い印象を受けた。
著者のカーネギーは1955年に66歳で既に亡くなられている故人のため、本書の原書はかなり古く、今の時代にそぐわないのではないかと心配していたのだが、全然そんな事はなく、いずれの章に書かれている内容も十分現在でも通用するものであった。
この手のビジネス書の翻訳は難しいと思うのだが、特に読みにくいということもなく、普通に読み切ることができたのは訳者である市野安雄氏の翻訳力に負うところも大きいのだろう。
尚、市野安雄氏の経歴は下記の通りである。(「話し方入門」巻末より引用)
1925年東京生まれ。1948年神戸経済大学(現・神戸大学)卒業。貿易会社に勤務後、1955年から1978年までNHKにて国際渉外関係業務に従事。現在フリーの翻訳家。
著者について
デール・カーネギーはアメリカの作家で教師にして、自己啓発、セールス、企業トレーニング、スピーチおよび対人スキルに関する各種コースの開発者と言われている。前述の通り故人であるが、今現在でもカーネギーの著作は世界各地で読まれている。
デビュー作は1926年の「Public Speaking: a Practical Course for Business Men」というスピーチに関する本なので、そういう意味では代表作の「人を動かす」や「道は開ける」よりも本作(話し方入門)の方がカーネギーの著作に触れるにあたって最初に選ぶべき作品と言えるだろう。
最後に
今回初めてカーネギーの著作を読んでみたが、意外と読みやすく、また、参考になることが色々と書かれていたので、引き続き代表作とも言える「人を動かす」や「道は開ける」も読んでみたい。
今回の「話し方入門」を評価するとしたら個人的には★★★★☆(星四つ)あたりが順当かと思う。
活字本が苦手と言う方には漫画版もある。
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