かれこれ9年も前に「The Top Five Regrets of the Dying」という本をこのブログでご紹介したことがある。
直訳すると「死ぬ時に後悔する5つのこと」というタイトルの本となる。洋書だったため、和訳した本があればぜひ読みたいものだ…と前回の記事では結んでいる。
そんな「The Top Five Regrets of the Dying」だが、和訳本が見つかった。というか9年前に記事を書いた時点で既にあったようだ。
その和訳本こそが新潮社から出版されている「死ぬ瞬間の5つの後悔」で、著者はオーストラリア人のブロニー・ウェア、和訳は仁木めぐみ氏となる。
さっそく購入し読んでみた。
著者であるブロニーは緩和ケアヘルパーの仕事を通じて様々な終末期の患者と出会う。そしてその患者たちとのやり取りを綴ったのが本書の内容となる。
患者のほとんどは、自分の寿命が尽きようとしていることを知っており、まさに死の間際になって人生において何が大事だったのかに気付く。そしてそれを後回しにしてきた自分に対し、後悔の念を抱く。
その後悔の念とは ー
自分に正直な人生を生きればよかった ー
働きすぎなければよかった ー
思い切って自分の気持ちを伝えればよかった ー
友人と連絡を取り続ければよかった ー
幸せをあきらめなければよかった ー
患者たちはヘルパーのブロニーに胸の内を明かすことにより、後悔している自分を受け入れ、最終的には穏やかな気持ちを取り戻し、最期のときを迎えることとなる。
そしてブロニー本人もまたヘルパーという仕事でいつも相手のことばかりを考え、与えるばかりの人生で他人の好意を受けることができず、疲弊し苦しんでいたが、最後には自分を受け入れ、自分を好きになり、幸せな新しい人生を歩き出すー
死の間際になって知る患者の後悔、そしてブロニーの苦しみとそれをどう乗り越えたかを知ることで、様々な教訓を本書から得ることが出来る。
本書で登場した患者のように後悔しないよう今を大切に生きたいと思わせる本だった。
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