一級建築士 学科試験の科目II「環境・設備」
実は地味に苦手な人が多い科目でもある。私見だと、特に音環境や日照・日射に関する問題が難しいと感じる。
今回はその日照・日射から出題頻度の高い終日日射量について書いていきたい。
まず、終日日射量とは、方位別の1日の直達日射による1m2あたりの受熱量となる。
建築士試験では、この終日日射量の季節ごと壁面等の方位別の大小を問う出題があるので、終日日射量のグラフは覚えておく必要がある。👇
(TK Office 1級建築士 受験対策 過去問アプリより引用)
実際の過去問は下記の通りだ。
過去問
北緯35度のある地点において、イ~ニに示す各面の終日日射量の大小関係として、最も適当なものは、次のうちどれか。ただし、終日快晴とし、日射を妨げる要素はないものとする。
イ 夏至の日における南向き鉛直面
ロ 夏至の日における西向き鉛直面
ハ 冬至の日における南向き鉛直面
二 冬至の日における水平面
選択肢
1. イ > ハ > ロ > ニ
2. ロ > イ > ハ > ニ
3. ロ > ハ > イ > ニ
4. ハ > ロ > ニ > イ
さて、一つずつ見ていくと、まず夏至のグラフだが、日射量は水平面>東西面>南面>北面になるので、ロ>イということが分かる。この時点で1.の選択肢は無くなる。
次に冬至のグラフを見てみると南面>水平面>東西面となるので、ハ>ニということが分かるが、残念ながらこれだと選択肢は減らず三択のままとなる。ちなみに北面は夏至しか日射が当たらない。
季節毎の大小関係では三択にしか絞れなかったので、方位別で見てみると、選択肢の中に南向き鉛直面が二つあるのが分かる。
夏至と冬至の南向き鉛直面だ。グラフを見ると南面の大小関係は春分・秋分>冬至>夏至となる。ここで気をつけるのが夏至の南面の日射量が一番少ないこと。夏だと多く日が当たっているイメージがあると思うが、それは水平面での話しで、こと南面に関しては北面に次いで日射量が少ない。これでハ>イとなり2.の選択肢がなくなり二択になった。
残り二択はなかなか難しいが、夏至の南向き鉛直面の日射量がグラフ全体の中でもかなり少ないことを覚えておけば、それより日射が少ないのは北面を除けば冬至の東西面のみとなるので、なんとか解くことができそうだ。
当たり前の話しだが…
問題文にグラフは付いていないので、しっかりグラフを暗記しておかないと日射量の大小関係を問う問題は太刀打ちできない。
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