一級建築士の試験にはアルファベット三文字の略語に関する問題が時々出題される。
私的に混同しがちなのは計画科目のBID、CBD、DIDあたりなので、今回はこれらの用語の解説をまとめておきたいと思う。
【CONTENTS】
BID、CBD、DIDとは
BID(Business Improvement District)
地区内の不動産所有者や事業者等から徴収される負担金により、その地区のオープンスペース等の維持管理、治安の改善、マーケティング等を行うものである。
「Improvement=改善」「District=地区」なので、直訳すると業務改善地区となる。受益者負担の原則に則り、地区内の不動産所有者や事業者等の地権者に負担金を科す制度で、NYタイムズスクエアを始めとしてアメリカで盛んに行われている。
(画像は大阪市で日本初の条例成立 市街地活性化手法「BID」とは何か | 2014年10月号 | 事業構想オンラインより引用)
CBD(Central Business District)
市街地の中で、官庁・企業・商業施設などが集中する地区である。
「Central=中心」なので、「Central Business District」は中心業務地区となる。
DID(Densely Inhabited District)
一般に、人口密度が4,000人/km2以上の国勢調査基本単位区等が互いに隣接し、それらの隣接した地域の人口が5,000人以上となる地域である。
「Densely=密集」「Inhabited=人が住む」なので、人口集中地区となる。日本の国勢調査で設定されており人口密度が4,000人/km 2以上とか、隣接した地域の人口が5,000人以上などと数字が入ってはいるが、数字の間違いを問うような問題ではないので、DID=人口集中地区と覚えておけば問題ないだろう。
(おまけ)TODとGISとは
TOD(Transit Oriented Development)
公共交通機関の利用を前提として、過度に自動車へ依存しない持続可能な都市を実現する方法の一つである。
「Transit=通過する」「Oriented=指向」「Development=開発」で、公共交通指向型開発となる。自動車より公共交通機関への依存度が高い都市開発だ。
GIS(Geographic Information System)
位置に関する情報をもつデータ(空間データ)を総合的に管理・加工したうえで、視覚的に表示し、分析や判断を可能にする技術である。
「Geographic=地理的」「Information System=情報システム」となるので、地理情報システムの略になる。まあ、GISは比較的覚えやすいのではないだろうか。
これらの略字に関する問題は、アルファベット三文字の略字だけでなく、カッコ書きで正式名称も問題文に書かれていることが多いので、単語の意味を理解しておけば、ある程度は解けそうだ。
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