どうもESTです。
今回は歌野 晶午さんの「そして名探偵は生まれた」をご紹介します。
本作は下記の四つの作品からなる短編集となっています。
そして名探偵は生まれた
名探偵・影浦逸水とその助手を務める武邑は、慰労会に招かれた先の保養地で殺人事件に遭遇する。しかし影浦は全く無関心で、代わりに武邑が犯人探しを始めることになるが…
生存者、一名
テログループによる無差別テロが発生。
事件後、テログループはほとぼりが冷めるまで絶海の孤島で過ごすが、一人、また一人と殺されていく…
館という名の楽園で
ミステリ好きが嵩じて怪しげな洋館を建てた旧友に招かれた四人。曰くありげな館を舞台にした推理ゲームが始まる…
夏の雪、冬のサンバ
外国人が多く住む老朽化したアパート。そのアパートの一室で大量の札束に埋もれた状態で中国人の男が殺された。
住人の証言を突き合わせると現場は雪の密室になっていた…
四つの作品それぞれに共通しているのは閉鎖空間での殺人ということ。「そして名探偵は生まれた」では雪に覆われた保養所が舞台になっており、「生存者、一名」では絶海の孤島が舞台、「館という名の楽園で」は怪しげな洋館が舞台です。「夏の雪、冬のサンバ」は雪が降るアパートが舞台となっており、大なり小なり密室状態で殺人事件が起きています。
この四作品に面白い順に順位を付けるとしたら、「生存者、一名」→「そして名探偵は生まれた」→「館という名の楽園で」→「夏の雪、冬のサンバ」の順でしょうか。
「生存者、一名」は絶海の孤島や宗教団体のテログループなど舞台設定からしてワクワクしますね。短編にしておくには勿体ない作品だと感じました。もっと作り込めば一つの長編作品にすることも可能だと思います。
歌野 晶午さんのミステリー小説を読んだのは初めてですが、面白かったです。
お読みいただきありがとうございました。次の記事でまたお会いしましょう。👋
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