どうもESTです。
タイトルだけでは意味がよく分からない「人生はどこでもドア」を読んでみました。サブタイトルで「リヨンの14日間」とあり、ここを見て「ああ旅行記本なのね」と分かります。
この本は妻が図書館で借りてきた本です。ちょっと拝借してパラパラ読んでみたところ、面白そうだったので妻より先に読んでしまいました。
著者の稲垣 えみ子さんのプロフィールをネットから引用しました。
稲垣 えみ子
1965年愛知県生まれ。87年朝日新聞社入社。大阪本社社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員をつとめ、原発事故後に始めた「超節電生活」を綴ったアフロヘアの写真入りコラムが話題となり「報道ステーション」「情熱大陸」などのテレビ番組に出演する。2016年、50歳になったのを機に早期退職し、現在は築50年の小さなワンルームマンションで、夫なし、子なし、定職なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしの「楽しく閉じていく人生」を模索中。著書に『アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。』、『魂の退社』『寂しい生活』、『もうレシピ本はいらない』『アフロえみ子の四季の食卓』など。
50歳で早期退職して「楽しく閉じていく人生」を実践…うむ。なかなか興味深いですね。🤔
人生100年時代と呼ばれ、働く期間がどんどん長くなっている世の中。その流れと逆行するように50歳でリタイアし、第二の人生をミニマムに過ごす。羨ましいです。私の元上司も、働かなくても暮らせるだけの貯蓄を築けたといって、定年を待たずに早期退職した方がいましたが、その元上司と稲垣えみ子さんに共通しているのは独身ということ。独り身は寂しい事もあるかも知れませんが、自由なのは確かです。自分一人が暮らしていけるだけのお金と場所があればなんとかなるもんです。全ては自己責任ですが、家族がいない分、身軽なのは確かでしょう。
稲垣えみ子さんはリタイア後、物書きとして色々本を出されており、今回の「人生はどこでもドア」もその一つです。
内容は、あえてなんの準備もせずにフランスのリヨンに行って、言葉も通じない国で単身14日間生活するというもの。
旅の目的は、日本と変わらぬ『生活』をすること。
普通の旅行はガイドブック片手に観光名所を回るものですが、稲垣えみ子さんはただひたすら普通の生活をするだけです。すなわち、朝起きてヨガをし、カフェに行き、マルシェで買い物をする。そして自炊し、寝る。この生活サイクルを二週間するだけ。
それでも飽きることなく最後まで楽しく読めてしまうのは、稲垣えみ子さんの文章力、表現力が素晴らしいためだと思います。
リヨン滞在の最後には、喋れないながらも「しっかりコミュニケーションをとってつながること」の大事さ、そして自分なりの幸せを綴っています。
Quotes ー
人はいつも、明日は当たり前に来るはずだと思っている。でも確実に今日ですべて終わるのだとわかっている時、人は何をするのだろう?私は今日、そんな局面に立ったのだ。で、全く思いがけないことに、「お世話になった人に感謝を伝えよう」と思ったのである。(P.268)
滞在最終日の心境を綴った心に響く一文です。
大して期待せずに読んだのですが、思わぬ良作に巡り会えほっこりした今日この頃です。
お読みいただきありがとうございます。次の記事でまたお会いしましょう。👋