+αな暮らし

メーカーでインハウスのファシリティマネジャーとして建築・不動産に関する仕事をしています。このブログでは建築・不動産・施設管理系の資格挑戦についてと、革製品を始めとした愛すべきプロダクトについて書いています。

ファシリティマネジメント フォーラム 2019

毎年2月に公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)が主催する「日本ファシリティマネジメント大会」というイベントがある。建築、不動産系の社団法人が軒並み協賛しているFM界の一大イベントだ。

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私は認定ファシリティマネジャーの資格を取得してから、毎年このイベントに参加するようにしている。

 

期間中、様々な講演をやっており、非常にためになるからだ。参加料は事前にネット上で申し込みをしておけば無料なので、私は行けるかどうか分からなくてもとりあえず事前申し込みはしておくようにしている。

 

イベントの概要はホームページを見て頂ければ早いが、概要を下記に抜粋しておく。

ファシリティマネジメントフォーラム概要

【タイトル】

第13回 日本ファシリティマネジメント大会「JFMA ファシリティマネジメント フォーラム 2019」

 

【期日】

2019年2月20日(水) 13 : 30~18 : 50、2月21日(木) 10 : 20~20 : 00(ネットワーキングパーティ含む)、2月22日(金) 10 : 20~18 : 00

 

【会場】

タワーホール船堀

東京都江戸川区船堀4-1-1

 

【テーマ】

For the Future!「FMの未来、新たな価値を求めて」 -時代が変わる。人・組織・社会を支えるファシリティマネジメント-

 

昨年は、「Hello Next! 働き方を変える、まちを変える」という未来志向のテーマを設定しました。私達は、変えることができているのでしょうか。新たな時代の課題を把握できているのでしょうか。既に新しい時代が始まっています。時代の変化を知り、FMという視座から、今を見つめ、明日を考え続けなくてはなりません。

 

2019年、変革を目指してテーマを、For the Future! 「FMの未来、新たな価値を目指して」- 時代が変わる。人・組織・社会を支えるファシリティマネジメント - としました。 FMの本質は変わりませんが、世の中の進歩や技術の進歩とともに、FMの技術や役割を進化させながら新たな価値を創造し、人・組織・社会に貢献しつづけるために何が必要かを考えていきたいと思います。

 

【基調講演】

竹内 弘高 氏(ハーバード大学 経営大学院教授/一橋大学名誉教授)

 

【特別講演】

福西 謙 氏(内閣府 政策統括官付参事官)

岩尾 聡士 氏(京都大学 経営管理大学院)

佐竹 健治 氏(東京大学 地震研究所 教授)

鎌田 道子 氏(シスコシステムズ合同会社 執行役員 マーケティング本部長)

竹村 公太郎 氏(特定非営利活動法人 日本水フォーラム 代表理事)

福原 正大 氏(Institution for a Global Society株式会社 代表取締役社長)

松岡 利昌 氏 (株式会社松岡総合研究所 代表取締役)

 

【開催目的】

平成19年より開催している日本ファシリティマネジメント大会(JFMA FORUM)を、継続的に開催するものであり、これまで国内外の企業及び団体で実践されたファシリティマネジメントの事例・技術・手法の発表会、第13回JFMA賞表彰、調査研究部会報告会、展示会等を実施する。

(日本ファシリティマネジメント協会HPより引用)

 

今年は水〜金の3日間の開催だが、あいにく水曜日と金曜日は仕事の関係で行くことが出来ない。今日だけは都合をつけて行くことが出来たので、今回の記事はその記録になる。

 

ファシリティマネジメントフォーラムを見に行く

会場は都営新宿線の船堀駅前にあるタワーホール船堀となる。私が住んでいるところから船堀は乗り換えが多く行きにくいので、毎年大変な思いをして行っている。

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早めに現地に到着したので、まずは会場前にある「Cafe&Bakery AZALEE」で一服

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シナモンデニッシュ280円とカフェラテ200円をいただいた。こちらのお店は飲み物のおかわりが自由なのが素晴らしい。

 

FMフォーラムの期間中、1F展示ホールで様々な企業(今年は26社)が展示ブースを開いており、2Fを中心とした各階で同時進行的に講演が開かれている。

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今年は2F桃源で開かれている「リスク・組織」に焦点を当てて参加することにした。

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以下、参加した講演会の中で一部気になった事を備忘録的に残しておく。

 

【公共施設のデータベース化のポイント】

公共施設のデータベース化という事だったが、民間施設にも応用が効くと思い参加した。

 

データベース構築にあたって、情報の正確さと、システム操作の簡便さ、その落し所を図ることがポイントとの事だったが、私が務めている企業規模の場合、専用システムを構築するレベルではなく、エクセル管理で十分なので、そこはいくらでも調整できそうだ。

 

また、施設系データ、棟系データを仕分ける必要があり、施設と棟は別々の台帳でそれぞれを緩やかに関連付ける管理の仕方が良いとの事であった。

 

今も建物リストや資産リスト、賃貸借物件リストなど、大きく3つに分けて管理しているが、今回の講演を受けて、内容の見直しと更新をしたいと思った。

 

【CREマネジメント推進に向けたアウトソーシングの戦略的活用】

企業規模的にCRE業務をアウトソーシングすることはないが、それでも不動産に関する業務を進める際は専門的な知見が必要になるので、ベンダーとの付き合いのヒントを求めて講演に参加。

 

CRE戦略実践の三種の神器

  1. CREマネジメントの一元化…専門部署の設置。IT活用による不動産情報の一元管理
  2. 外部サービスベンダーの効果的活用
  3. ワークプレイス戦略の重視

そして、

アウトソーシングの留意点

  1. 優れた外部ベンダーの存在
  2. コア業務、ノンコア業務の明確化
  3. 事業会社側の専門的知見とベンダーコントロール

まあ、ここら辺は「そうだろうね」という感想だ。もう一歩踏み込んだ内容が聞きたかった。

 

【今見直すべき施設の災害リスク ー2018年の自然災害を振り返ってー】

自社施設を拠点毎に各種ハザードマップを使いリスク評価したかったので、どう情報を拾うか学ぶために参加した。

 

ハザードマップ情報源

  • 市町村発行ハザードマップ
  • 都道府県、国交省が公表する被害予測地図
  • 市町村、都道府県の地域防災計画書
  • 公的機関による被害予測情報のポータルサイト
  • 公的機関による被害シュミレーション
  • 過去の災害履歴
  • 地歴(過去の土地利用区分など)

国交省のハザードマップポータルサイトが各種ハザードマップの入口として良いとの情報を得ることが出来た。

また、地震マップの見方として、ミクロではなく大局的にみる(低地か台地か、首都直下地震など切迫性のあるエリアか等)それと、敷地付近に断層が通っているかの確認が大事(地震本部や地理院地図で調べる)との事だった。

それと、突風・竜巻・雷害に関してはハザードマップという形ではなく過去の実績をまとめたデータベースしかないようだ。しかしそれでも発生傾向は見えるので参考になる。

 

調べたハザード情報は、地震(地震動、液状化、津波)、水害(洪水、内水氾濫、高潮)、その他(土砂災害、落雷、突風・竜巻、噴火)といった項目毎に大・中・ー(危険なし)でリスク判定すれば良いので、業務の一環として拠点毎にまとめていきたい。

 

また、地震直後の建物点検用のチェックシートを事前に整備するのも大事とのこと。これは理解していて、先日受講した「被災宅地危険度判定士」や、過去に受講した「被災建築物応急危険度判定士」などはその判定スキルを学ぶために受講したものになる。

 

ただ、事前にチェックシートを準備と言うのはまだ出来ていない。内閣府から「大地震発生直後における施設管理者等による建物の緊急点検に係る指針(H27年)」という指針が出てるようなので、作成の際は参考にしたい。

 

【ファシリティマネジャーが知りたい事業継続 ー災害から経営資源をどのように守り、事業を続けるかー】

この講演はBCPに関する話がメインだった。BCPは私の担当業務からは外れるが、一応一通り聞いておいた。

 

【富士フイルムが取り組む防災活動】

今日のラスト講演。富士フイルムの事例を紹介する会。参考になる部分がないか参加した。

 

北海道胆振地方地震や熊本地震などの経験を元にどう対応したか、どういう事が大事かを聞き、早期の建物診断が重要(復旧が始められないため)というのを再認識した。

 

また、非常に共感が得られたのは、災害対策室を常設しておくというもの。そこにPC、モニター、情報収集ボードなども常に準備しておけば、災害時即応することが出来る。私の勤めている企業では、災害対策室は組み立て式のテントとなっている。その組み立てる時間が無駄だと常々感じていた。

 

以上、本日聞いた五つの講演となる。

 

今年のFMフォーラムは明日が最終日。FMの仕事に携わっている者なら必見です。

 

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