最近、所有する革靴を紹介する記事しか書いていない日々が続いているが、懲りもせず今回も革靴紹介の記事となる。
今回紹介するのは、FOSTER&SON フォスター&サンの「WARDEN ウォーデン」だ。
フォスター&サンというブランドだが、余程の靴好きでないと馴染みがないと思う。
フォスター&サンはイギリスのブランドで、創業は1840年と古い。そしてイギリス最古のビスポークシューズメーカーのHENRY MAXWELL ヘンリーマックスウェルを傘下に置いていることでも有名である。実際、フォスター&サンの店舗では、このヘンリーマックスウェルブランドの靴も扱っている。
さらに、今回ご紹介している「WARDEN」はフォスター&サンのホームページを見ると、ヘンリーマックスウェルブランドのカントリーシューズとして販売されている。
http://foster.co.uk/our-products/ready-to-wear/evening-shoes-2/warden/
お値段は445ポンドなので150円換算で66,750円。これに関税がかかり、仮に日本で買おうと思ったら86,000円くらいだろうか。そもそも日本には正規販売店がないことから、購入するとなると現地へ行くか、個人で輸入するしかない。個人輸入が得意な方ならともかく少しハードルが高い。
さて、それでは「WARDEN」を見ていこう。
キャップトゥと見せかけておいて、実はつま先のラインはダブルステッチだったりする。
そして、この靴の最大の特徴とでも言うべきなのが、その製法だろう。いわゆるグッドイヤー・ウェルテッド製法の一種だが、上の写真を見て貰えれば分かる通りアッパーの表革をウェルトの上側に縫い付けるヴェルトショーン製法と呼ばれる珍しい製法で作られている。
この製法はウェルトと表革に隙間がなくなるため、雨の侵入を防ぐことができるのが特徴だが、熟練の職人と専用の機械を必要とするため、少しずつしか生産できず手の込んだ製法と言える。
アイレットは五つ。カントリーシューズっぽく太めのシューレースだ。このシューレースは普通の蝶々結びでも解けないので楽で良い。
表革はカーフのグレインレザー。これまたカントリーシューズでは定番だろう。
ソールはダイナイトソール。グレインレザーにダイナイトソール、そしてヴェルトショーン製法。まさに悪天候、悪路を踏破するコンビネーションプレイと言える。実際、私の雨天専用靴として大活躍している。
フォスター&サンのホームページでは、ヘンリーマックスウェルのカントリーシューズとしてラインアップされているウォーデンだが、インソックのロゴは普通にフォスター&サンとなっている。
ライニングには金箔文字でサイズやモデル名が書かれている。このライニングの表記の仕方でピンと来た人もいるかも知れないが、実はこのウォーデン、製作はフォスター&サンではなく、ジョセフチーニー製だったりする。
ブランドはフォスター&サンで、ホームページ上ではヘンリーマックスウェルで、実態はジョセフチーニーという、もはや何が何だか分からない。だけど安心して下さい。分からなくて普通です。所有者の私でもよく分かりません。
ちなみに…
ジョセフチーニーのインラインモデルでカントリーシューズの「CAIRNGORM ケンゴン」という靴があるのだが、ウォーデンはこのケンゴンにそっくりだ。と言うかほぼ一緒。名前だけ変えてる感じだ。
ジョセフチーニー ケンゴン👇
ケンゴンの方がより丸っこいでざをしており、ソールがコマンドソールでより無骨感を前面に押し出している。
実は以前、このチーニーのケンゴンも所有していたことがあるのだが、なかなかコマンドソールが自分に馴染まず、結局ドナドナしてしまった。機会があればまた履いてみたい気もしている。
以上、フォスター&サンからカントリーシューズの「WARDEN」でした。