怒涛の所有する革靴を紹介するシリーズ。今回はSCOTCH GRAIN スコッチグレインの「F-0350」となる。
スコッチグレインは言わずと知れた日本の靴ブランドで、本格革靴を初めて買う人の大半はリーガルか、このスコッチグレインに手を出すのではないだろうか。それくらい良心的な価格と安定の品質を提供してくれるブランドである。
まずは恒例のブランド紹介を簡単にしておきたい。
SCOTCH GRAIN スコッチグレインというブランド
スコッチグレインを展開しているのは、東京都墨田区にある革靴の製造・販売を行う日本の会社で株式会社ヒロカワ製靴 (ひろかわせいか)となる。
創業は日本製靴(後のリーガルコーポレーション)や大塚製靴などに比べ新しく、1964年(昭和39年)創業となる。
ヒロカワ製靴は他ブランドのライセンス生産を行っておらず、革は国内外のタンナーを使用し、コスト削減のため製法をグッドイヤー・ウェルト製法に一本化している。
また、中物にスポンジ、シャンクにプラスチックを使っているのも特徴的だ。
革靴紹介 F-0350
さて、今回私が紹介するのはそんなスコッチグレインから「F-0350」というモデルになる。
この「F-0350」がモデルNo.なのかは正直不明だ。箱にもライニングにもそれしか書かれていないので便宜上「F-0350」と呼ぶことにしている。決してフォードのピックアップトラック「F-350」のことではない。笑
革靴のデザインは見ての通り黒のキャップトゥとなる。ストレートチップとも言う。
黒のキャップトゥは最初の一足として誰しもが選ぶ(必要となる)デザインだろう。冠婚葬祭これ一足あれば事足りる。
実際、一昨日祖母の七回忌があったが、服装は地味な平服にこの「F-0350」を合わせていった。
そんな万能選手の黒のキャップトゥだが、実は今のところ、この一足しか持っていない。そのため非常に重宝している。
スコッチグレインの純正シューキーパーは、この赤いプラスチック製となる。木製キーパーに比べればチープさは否めないが、意外と使い勝手は良い。サイズ調整が容易なのと、履いた直後に入れてもムレることがないのも清潔で良い。
よく、木製シューツリーは汗を吸い取ると言うが、私は半信半疑で、必ず一晩は乾燥させてからツリーを入れるようにしている。一方でこのスコッチグレインのキーパーは即入れ可能だ。
スコッチグレインの靴の特徴の一つとして、ヒールカップに穴があいている。上の写真で分かりますかね?これはアッパー(甲革)を木型に合わせて釣り込む作業の際に、アッパーと木型がズレないよう釘で固定する時につく穴となる。私は最初、値札を付けていた穴かと思ってしまった。笑
ライニングには「F-0350」と「24 1/2」のサイズ表記のみ。シンプルだ。
踵が少し擦れてきているな。もう少し酷くなってきたら補修しようと考えている。この靴はかれこれ7、8年前にスコッチグレイン佐野店で購入した靴なのだが、最初はキツく感じたものだ。それが今は絶妙なフィット感となっている。
インソックシートのロゴはありふれた金色の箔押しタイプだが、何年経ってもロゴが薄くならないのが凄い。この金の箔押しタイプのロゴは、クロケット&ジョーンズのレギュラーラインなどでも採用されているが、クロケットの場合、履いている内に段々と薄くなってきてしまう。ここでも日本製の品質の良さが現れているな。些細なことかも知れないが、このロゴの丈夫さは個人的には感動モノだ。
ソールは見ての通り純正でラバーが張ってある。スコッチグレインにはシャインオアレインという雨に強いシリーズがあり、そのシリーズはグリップ力の高い『SGソール』『ファイバーグリップソール』を使用しているが、残念ながら私の靴はそれとは違うソールとなっている。
ちなみにシャインオアレインのアッパーは鞣しの段階でフッ素を含ませた『国産撥水カーフ』を使用することで雨に強い革となっているが、私の靴もシャインオアレインと同等の防水性を持っていると、佐野店の店員さんが言っていたような、いないような…正直、よく覚えていないが、雨の日にスーツを着るときは、このスコッチグレイン「F-0350」一択となっている。
この靴は、今となっては私の所有する革靴の中でも最古参となってしまった。アッパーには使用に伴うシワが刻まれており、ソールもだいぶ減ってきている。何年先になるか分からないが、オールソールのタイミングが来た時にオールソールするのか、それとも買い換えるのか(なにせ元が2万円くらいの靴だった気がしますので)、長く履いているので愛着はあるものの、元が大した金額でないとオールソールするのも勿体ない気がするので悩むところだ。