どうもESTです。
本屋をプラプラしている時に偶然見つけた本書。「星降り山荘の殺人」という素敵なタイトルと綺麗なカバー絵。
ふむ…雪に閉ざされた山荘モノか。なかなかベタな設定やな。
だけど、帯にこう書かれているのを見て俄然興味が湧いてきました。👇
「やられた!」の声、時代を超えて続出!
ほう。ビックリするようなどんでん返しがあるのか… 興味が出て、さっそく購入してみることにしました。
Synopsis
雪に閉ざされた山荘。そこは当然、交通が遮断され、電気も電話も通じていない世界。集まるのはUFO研究家など一癖も二癖もある人物達。
そして、突如発生する殺人事件。「スターウォッチャー」星園詩郎の華麗なる推理。
あくまでもフェアに、真正面から「本格」に挑んだ本作、読者は犯人を指摘する事が出来るか…
倉知淳さんの小説は初めて読みました。
本書は元々1996年に講談社ノベルスで、1999年に講談社文庫で刊行された小説です。今から20年以上前の作品なので、内容的に古さを感じるくだりがありますが、小説自体は良く出来ていると思います。
各章毎に、まず最初に簡単にその章の解説がなされており、20年も前の作品であるにも関わらず逆に新しく感じました。例えばこんな感じです。👇
「まず本編の主人公が登場する
主人公は語り手でありいわばワトソン役
つまり全ての情報を読者と共有する立場であり
事件の犯人では有り得ない」
とか、
「和夫は早速新しい仕事に出かける
そこで本編の探偵役が登場する
探偵役が事件に介入するのは無論偶然であり
事件の犯人では有り得ない」
など。
ここでいう物語の主人公は和夫であり、書いてある通り本編の語り手で、物語は和夫視点で進みます。そしてこのワトソン役の主人公と探偵役は犯人ではないのでそれ以外の登場人物が犯人となるのですが、登場人物は主人公と探偵役を入れてもわずか9名と少ないです。当然、この登場人物の中で殺される人もいるので容疑者は更に絞られます。それでも、帯に書いてあったことは正に事実でした。見事に私も「やられた!」のでした。お見事!👏
あえて難点を付けるなら犯人の動機が弱いことですかね。ここはもう少し知恵を振り絞って欲しかったです。
お読みいただきありがとうございます。次の記事でまたお会いしましょう。👋