今回は、ロンドン最古のシューメイカーと言われるFOSTER&SON フォスター&サンの「ASTON アストン」と呼ばれる革靴を紹介する。
フォスター&サンの創業は1840年と言われ、伝説の靴職人テリー・ムーア氏や、その弟子である日本人職人の松田笑子氏が有名だ。
FOSTER&SON フォスター&サン
1840年創業のイギリスの老舗ビスポークシューズメーカー。フォスター&サンは現存する英国最古のビスポークシューズメーカー「HENRY MAXWELL ヘンリー・マックスウェル」を傘下に収めたことでも有名で、フォスター&サンの店舗ではヘンリー・マックスウェルブランドも併せて展開している。
現在のフォスター&サンを語るうえで外すことのできない人物、それは木型(ラスト)職人のテリー・ムーア氏。フォスター&サンで1965年から仕事を続けるムーア氏は現在も現役で仕事をする伝説の人である。
フィット感に定評のあるフォスター&サン。職人技が生み出すそのフィット感はもはや芸術の域に達していると言っても過言ではない。
また、ロンドンにあるフォスター&サンでは日本人女性の松田笑子氏が働いている。松田氏はロンドンにある靴の専門学校、コードウェイナーズ・カレッジ(現ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション)在学中からムーア氏に師事。2002年にフォスター&サンに入店し、現在はラストメイキングから仕上げまでの全行程をこなしフォスター&サンの次世代を担う職人として活躍している。
ASTON アストン
さて、今回紹介するフォスター&サンのアストンはこちら。
見ての通りローファーだ。
何とも言えない気品さを漂わせている。さすがは名門中の名門フォスター&サン…と言いながら、実はこの靴、クロケット&ジョーンズ製だったりする。
フォスター&サンの既成靴はOEMが多いらしく、ロゴだけフォスター&サンで製作は他のメーカーと言うのが結構ある。そこはやはりビスポーク専門のシューメイカーだからだろう。
そうは言ってもクロケットの中でも上級グレードであるハンドグレード相当のモデルなので端々の作りは実に素晴らしい。
デザインは黒のスエードをモカ縫いしたUチップで、スエードの素材もキメが細やかで素晴らしい肌触りをしている。
インソックのロゴはフォスター&サンとなっている。金色の箔押しタイプだが、このタイプは履き続けているうちに段々ロゴが薄くなってくるのがネックだ。
インソックはつま先まで一枚物のフルソックとなる。
ライニングに手書きで書かれている#337という文字がクロケットのスクエアトゥのLAST337を表している。そしてそのLAST337がクロケットのハンドグレードラインのラストになる。
アウトソールは半カラスのヒドゥンチャネル仕上げ。それもかなり綺麗な仕上がりだ。
ソールにもフォスター&サンのロゴが印字されておりカッコいいです。さて、こちらの靴、写真を見ての通りトップリフトの角が斜めにカットされているが、何故かお分かりだろうか?
ネット情報なので話半分に見て頂ければと思うが、ヨーロッパの人々が靴を履いたまま衣服の着替えをする際に、靴のカカト(トップリフト)が生地に引っかかりやすいため、引っ掛かりを防ぐためにカカトの角をあえて欠けさせるようになったというのが理由だそうだ。
家に上がる際は靴を脱ぐ日本人には、靴を履いたまま衣服の着替えをするという行為に全く馴染みがないが、なかなか面白い。
履き心地についてだが、若干キツめのため、履かない時はテンションがかかるシューツリーを入れてある。そのおかげか最初の頃よりはだいぶ足に馴染んできた気がする。
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