+αな暮らし

自分の仕事に関係する建築・不動産・施設管理系の資格挑戦記。その他、革靴を中心とした自分の生活に+αな彩りを添えてくれるお気に入りアイテムについて綴っています。

【読書】綾辻行人さんの館シリーズを読んでのレビュー

どーもESTです。

ミステリー作家の綾辻行人氏が書いた「十角館の殺人」が面白いという情報をネット上で知り、書店で探してみたところ、講談社文庫から新装改訂版が出版されているのを発見しました。

 

【CONTENTS】

 

十角館の殺人

講談社文庫の新装改訂版を書店で購入。読んでみました。

Synopsis
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島。

この角島では館を建てた建築家・中村青司を含む四重殺人が半年前に起き、中村青司が住んでいた屋敷が焼失していた。

その角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。
そして、屋敷の離れであった十角館で学生たちを襲う連続殺人。

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この作品は、綾辻行人氏のデビュー作にして完成度の高い本格ミステリーです。結構なページ数でしたが、台風が来ていたこともあり、二日間で読み終えてしまいました。

氏のミステリー小説は初ですが、「十角館の殺人」以外に「○○館の殺人」という館シリーズを書いているようですので、他の作品も順繰り読んでいくことにします。

 

 

水車館の殺人

館シリーズ第2弾。前作の「十角館の殺人」が面白かったので読んでみました。

Synopsis
仮面の当主と孤独な美少女が住まう異形の館、水車館。

一年前の嵐の夜を悪夢に変えた不可解な惨劇が、今年も繰り返されるのか?
密室から消失した男の謎、そして幻想画家・藤沼一成の遺作「幻影群像」を巡る恐るべき秘密とは…!?

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前作の十角館が「」と「本土」を舞台に物語が進んだのに対し、本作品は「過去」と「現在」を舞台に交互に物語が進みます。

前作で出てきた登場人物が出てくるので、先に「十角館の殺人」を読んでから「水車館の殺人」を読むことをお勧めします。

そして、今回も驚きの結末が待っていました。館シリーズ、結構面白いです😁

 

 

迷路館の殺人

十角館、水車館に続いて、館シリーズ3作目「迷路館の殺人」を読みました。立て続けです。もう止まりません。

Synopsis
奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。

招かれた四人の作家たちは莫大な“賞金”をかけて、この館を舞台にした推理小説の競作を始めるが、それは恐るべき連続殺人劇の開幕でもあった。

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十角館、水車館も面白かったですが、この迷路館が今までで一番面白かったです。トリック自体は館シリーズ特有の秘密の通路や部屋と言ったもので、これと言って特筆すべきものでもないのですが、意外な犯人の正体には相変わらず驚かさせられます。特に今回は犯人の正体に二度ビックリです。

また、この小説の特徴として、作中作という手法を取っており、それも斬新だと思います。

 

 

人形館の殺人

Synopsis
父が飛龍想一に遺した京都の屋敷―顔のないマネキン人形が邸内各所に佇む「人形館」。

街では残忍な通り魔殺人が続発し、想一自身にも姿なき脅迫者の影が迫る。彼は旧友・島田潔に助けを求めるが、破局への秒読みはすでに始まっていた…。

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本作品は今まで読んだ館シリーズの中でも毛色の違う内容でした。悪くはないのですが、個人的には前三作の方が好みです。

今回は名探偵「島田潔」もかたなしでしたね。館シリーズ、少し息切れしてきたか…

 

 

時計館の殺人

本作品は第45回日本推理作家協会賞に輝いた作品です。

Synopsis
鎌倉の外れに建つ謎の館「時計館」。

角島・十角館の惨劇を知る江南孝明は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。

館に棲むという少女の亡霊と接触した交霊会の夜、忽然と姿を消す美貌の霊能者。
閉ざされた館内ではそして、恐るべき殺人劇の幕が上がる!

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面白い❗️今回の時計館はいままでのシリーズと比べてもかなりのページ数でボリュームがあります。

物語の途中からなんとなく犯人はコイツでは…と目星をつけていたのですが、全然検討外れでした。私には探偵の素質0ということが分かりました。

そして、壮大なるトリックとラストにも驚かされます。この館シリーズ、共通しているのは隠し扉や、隠し通路といったカラクリですが、シリーズを重ねるにつれ、そこに更にトリックが加わるようになってきましたね。

私の中では今回の時計館は、迷路館に並ぶ傑作だと思います。

 

 

黒猫館の殺人

タイトルにも書いてますが、綾辻行人氏の館シリーズもとうとう6作目に突入しました。

Synopsis
六つめの「館」への御招待ー。

自分が何者なのか調べてほしい。推理作家鹿谷門実に会いたいと手紙を送ってきた老人はそう訴えた。手がかりとして渡された「手記」には彼が遭遇した奇怪な殺人事件が綴られていた。

しかも事件が起きたその屋敷とはあの建築家、中村青司の手になるものだった。惨劇に潜む真相とはー。

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この黒猫館は今までの館シリーズとは少し趣の違う作品となっています。殺人自体は現在進行形で起きていくのではなく、手記の中で語られる、あくまでも過去に起きたものです。

そういった意味では新しい試みなのかもしれませんが、個人的にはトリックなども含め今までの館シリーズと比べると多少物足りないものがありました。前作の時計館が大作だったので余計にそう感じるのかも知れません。

 

 

暗黒館の殺人

シリーズ7作目にして、館シリーズ最大の超大作。文庫本で全四巻に及ぶ「暗黒館の殺人」をやっと読み終わりました。

Synopsis
蒼白い霧のなか峠を越えると、湖上の小島に建つ漆黒の館に辿り着く。その館は、忌まわしき影に包まれた浦登家の人々が住まう「暗黒館」。

当主の息子・玄児に招かれた大学生・中也は、数々の謎めいた出来事に遭遇する。十角塔からの墜落者、座敷牢、美しい異形の双子、そして奇怪な宴…

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この暗黒館は綾辻行人氏の館シリーズ集大成とでも言うべき作品です。いままでの館シリーズで出てきた人物が色々と(名前だけですが)出てきますので、他の作品を読んでから読むことを強くお勧めします。

また、本作では殺人事件そのものよりも「浦登家」の忌まわしき系譜に重きを置いた内容となっているのも特徴的と言えます。さらにミステリーだけでなくソフトなホラー要素も感じました。

4巻の頭くらいで、なんとなく殺人事件の犯人はコイツでその正体はアイツでは⁈(動機までは分かりませんでしたが…)と思い、読み進めていくと、今回も見事に違いました。いつもいつも想像の遥か上をいく結末に溜息が出ます。
ただ、未解決とは言いませんが、気になる部分がいくつか残ったままの完結なので、ちょっとモヤモヤしますね。

それにしても、今回の探偵役とも言うべき物語の中心人物である「中也」の正体には驚きました。最初の本名が出てこなかった時点で、正体は既知の人物なのだろうと思ってはいましたが、ここにきてまさかアイツとは…

とりとめもないことを書きましたが、館シリーズの原点であり最大のボリュームを誇る大作であることは間違いありません。

 

 

びっくり館の殺人

Synopsis
とある古書店で、たまたま手に取った1冊の推理小説。読みすすめるうち、謎の建築家・中村青司の名前が目に飛び込む。その瞬間、三知也の心に呼び起こされる遠い日の思い出…。

三知也が小学校6年生のとき、近所に「びっくり館」と呼ばれる屋敷があった。いろいろなあやしいうわさがささやかれるその屋敷には、白髪の老主人と内気な少年トシオ、それからちょっと風変わりな人形リリカがいた。

クリスマスの夜、「びっくり館」に招待された三知也たちは「リリカの部屋」で発生した奇怪な密室殺人の第一発見者に!
あれから10年以上がすぎた今もなお、事件の犯人はつかまっていないというのだが…

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「びっくり館の殺人」、まずはこの訳のわからない館名に「びっくり」します。そして、前作の暗黒館と比べるとページ数が少なく物足りなさは否めません。

また、今までの館シリーズの中でも異色な感じのする作品でした。登場する中心人物が小学生のためか、ストーリーはシンプルで、要所要所に挿絵(暗い感じのですが)を入れてみるなどの新しい試みで、読者層は今までよりも低めを狙っている感じです。オカルト要素も少し入っています。

それにしても一作目の十角館はいかにも推理小説といった感じだったのに、作品を重ねるごとにだんだんストーリー重視になってきて、一つの作品の中で起こる殺人件数やトリックなどは少なくなっている気がします。まあ、この館シリーズのトリックと言えば隠し扉や隠し通路しかないのですが…。

今回の「びっくり館」はトシオの母親は結局どうなったんだろう…気になる。それにラストもあっさりし過ぎていてちょっと拍子抜けです。

現時点で全8作となる館シリーズですが、個人的には「びっくり館」の評価は低めです。

ちなみに私なりに面白かった順に館シリーズを並べると、暗黒館→迷路館→時計館→十角館→水車館→人形館→黒猫館→びっくり館となります。時計館と十角館の順番は逆でも良いかも知れません。あと、最後の方の人形館、黒猫館、びっくり館あたりの順番はどれも同じようなものです。

この館シリーズも残すところ2作となりました。(当初の予定から全10作らしいです)9作目は「奇面館」とのことですが、ラスト10作目の館は何になるのでしょうか。今から気になります。

 

 

奇面館の殺人

Synopsis
季節外れの吹雪で孤立した館、奇面館。館の主人、影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれ仮面を被らされた。

前代未聞の異様な状況下で事件は進展する。主人の〈奇面の間〉に転がっていたのは、頭部と両手の指を切り落とされた凄惨な死体。そして六人の客には仮面が被らされ、その仮面には鍵がかけられていた…

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表情恐怖症の館の主人。顔がすっぽりと隠れる全頭仮面を被らされた客人たち。そして奇妙な仮面がたくさんコレクションされた奇面館。異常なシチュエーションの中で起きる凄惨な殺人事件…まさに綾辻行人テイストが炸裂した作品といえます。

最近は森博嗣氏の小説ばかり読んでいたので、久しぶりに読む綾辻作品は表現が少しばかりグロテスクに感じました。

本作品は館シリーズの最新作で、文庫本上下巻の長編小説になります。この手の話しはえてして連続して殺人が起きるものですが、本作では起きる殺人は一件だけです。また、館シリーズは「隠し通路や秘密の扉がある」と言う密室殺人ものとしては反則的なストーリーですが、密室の謎が隠し通路でした…と言うお粗末な内容ではなく、初めから隠し通路有りきの話しになっています。今回の作品もよくよく考えられているなあ…と感心しました。ま、現実ではあり得ない話しでしょうが、だからこそ小説は面白いんですよね。

 

 

さて、この館シリーズ、最初から全10作と決められているらしく、1作目の「十角館の殺人」から始まり、約2年かけて、9作目の「奇面館の殺人」まで読破しました。

次の作品がいよいよ最後の作品になるのですが、いつ出版されるか分かりません。なので、読み終えた1〜9作目までをとりあえずブックレビューとして今回一つの記事にまとめました。

 

ラスト10作目がどんな作品になるのか今から楽しみです。