+αな暮らし

自分の仕事に関係する建築・不動産・施設管理系の資格挑戦記。その他、革靴を中心とした自分の生活に+αな彩りを添えてくれるお気に入りアイテムについて綴っています。

【読書】「祖父たちの零戦 Zero Fighters of Our Grandfathers」を読んで感涙す。

どーもESTです。

今回読んだ本には胸打たれものがありました。

Synopsis
「ミノル、俺たちのやりたかったことはこんなことだったのかな」27機撃墜・味方損失ゼロ、奇跡の初空戦を指揮した進藤三郎。敗色濃い南太平洋でなおも完勝を続けた鈴木實。

二人の飛行隊長の人生を縦糸に、元零戦搭乗員124名へ未踏の2,000時間インタビューを横糸にして織り上げた、畢生のノンフィクション!

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物語は全八章からなり、三章くらいまでは中国戦線から太平洋戦争序盤の零戦の栄光が描かれ、四章、五章では戦争後半にかけて零戦の落日が描かれています。そして、六章から八章にかけて戦後が描かれており、生き残った進藤氏と鈴木氏の苦労が身につまされる内容で、二人の最後には読みながら涙まで出てしまいました。

特に亡くなる前の「むなしい人生だった(進藤氏)」や「遺灰はアラフラ海に撒いてくれ(鈴木氏)」という言葉は胸に迫るものがあります。この二人、いや戦争で生き残った人たちの多くは、戦後、亡くなるまで戦争の記憶から解放されなかったのだと思います。

 

私たちの祖父母の世代がどれだけ苦労して日本を守ろうとし、また、戦後の復興に力を注いできたのか、改めて考えさせられたと共に、後を継いだ私たちはそのことを後世に語り継いでいく使命があるのでしょうね。

今の若い日本人にこそ、読んで欲しい一冊です。

 

あまり、引用文ばかり書くのは気が引けますが、いくつか胸にグッと来た言葉がありましたので、転記しておきます。抜粋した文章だけを読むのでなく、本の全体の繋がりの中で読んだ方が当然良いので、気になる方はぜひご一読あれ。

Quotes
今や爆撃隊を守り通すために、戦闘機は自らを盾とせねばならなかった。降り注ぐ敵の曳光弾と爆撃機の間に身を挺して、敵の銃弾をことごとく我が身に吸収し、火達磨となって自爆する戦闘機の姿、それは凄愴にして荘厳なる神の姿であった。(中略)

海面すれすれを這って高速避退する爆撃機、これに襲いかかる敵戦闘機、これを追い散らす味方戦闘機、スコールのような敵砲火で真っ白に泡立つ海上で、これらの間に凄烈なる戦闘が展開された。艦爆危うしと見るや、救うに術なく、身をもって敵に激突して散った戦闘機、火を吐きつつも艦爆に寄り添って風防硝子を開き、決別の手を振りつつ身を翻して自爆を遂げた戦闘機、あるいは寄り添う戦闘機に感謝の手を振りつつ、痛手に帰る望みなきを知らせて、笑いながら海中に突っ込んでいった艦爆の操縦者。泣きながら、皆、泣きながら戦っていた。(P.208)

これはある戦闘機乗りの遺稿となった手記です。あまりにも悲しく切ない内容です。10代、20代の死ぬには早過ぎた若者の壮烈なる生き様が読み取れます。

 

Quotes
これ(特攻)は九分九厘成功の見込みはない。これが成功すると思うほど大西は馬鹿ではない。だが、ここに信じていいことが二つある。天皇陛下はこのことを聞かれたならば、戦争をやめろ、と必ず仰せられるであろうこと、もうひとつは、その結果が仮に、いかなる形の講和になろうとも、日本民族がまさに滅びんとするときに、身をもってこれを防いだ若者たちがいたという事実と、これをお聞きになって陛下自らのお心で戦を止めさせられたという歴史が残る限り、五百年後、千年後の世に、必ずや日本民族は再興するだろう、ということである。
しかしこのことが万一外に漏れて、将兵の士気に影響を与えてはならぬ。さらに、敵に対してはあくまで最後の一兵となるまで戦う気魄を見せておかねばならぬ。
大西は、後世史家のいかなる批判を浴びようとも、鬼となって前線に戦う。天皇陛下が御自らのご意志によって戦争を止めろと仰せられたとき、大西は上、陛下を欺き奉り、下、将兵を偽りつづけた罪を謝し、特攻隊員のあとを追うであろう(P.312〜313)

大西中将が「他言無用」と言っていた特攻の真意です。これほどの悲愴なる決意を持って特攻隊員を送り出した大西中将の心情いかばかりか…そして、この言葉どおり「特攻生みの親」とされる大西瀧治郎中将は、昭和二十年八月十六日、終戦の翌日に、渋谷南平台の官舎で割腹して果てました。特攻で死んだ部下たちのことを思い、なるべく長く苦しんで死ぬようにと、介錯を断っての最期でした。

遺書には、軽挙を戒め、若い世代に後事を託し、世界平和を願う言葉が書かれていたそうです。

見事な責任の取り方です。死ねば終わりという考えもありますが、介錯無用の割腹自殺はなかなか出来るものではないでしょう。

 

Quotes
名前を呼ばれた者は飛び上がって喜んでるんだけど、でも心のなかは逆、泣いてるんですよね。それで呼ばれなかった者はガックリしたような顔をしながら腹のなかではホッとしている。明と暗がはっきりと分かれる瞬間でした(P.315)

特攻隊員に選ばれたときの瞬間のことですが、あまりに不条理ではないでしょうか。しかし他の選択肢がないまでに追い詰められているのを兵も分かっていて受け入れるしかない現状をまさに表していると思います。

 

戦争で亡くなった若い将兵たちは、その大多数がいまの私よりもはるかに年下でした。

祖国から遠く離れた地で遺骨も還らぬまま亡くなった彼らの魂が、せめて九段の坂の上、靖国神社に還らんことを願わずにはいられません。