どうもESTです。
浅倉卓弥氏の「四日間の奇蹟」を読みましたので、今回はその感想記事です。
Synopsis
新進ピアニストとして将来を嘱望視されていた如月敬輔は、留学先のオーストリアで強盗事件に巻き込まれた少女をかばい、薬指を失ってしまう。両親を失った知的障害を持つその少女・楠本千織を引き取った敬輔は、彼女のサヴァン症候群による優れたピアノの才能を見出し、彼女と各地を演奏して廻ることとなる。そうして招待された療養センターで敬輔たちは敬輔の高校時代の後輩だった岩村真理子と出会う。
脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を、最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー。
この小説は前々からチェックしていて、やっと読むことが出来ました。そして感動。ちなみに映画化もされたようです。
作中、たびたび説明調の長ったらしい台詞があり少し気になりますが、それも物語に深さを与えるためであると推測します。
ところで、タイトルにある「奇蹟」という単語ですが、「奇跡」とは意味合いが違うのかと思ってネットで調べてみました。それぞれの単語の意味は下記のとおりとなるようです。
奇跡…理屈で説明できない摩訶不思議な現象のこと。
奇蹟…神様が何か意思を持って起こしたことで、神様の力を現実に見せることができるもののこと。
なるほど、確かにこの作品で使うべきは「奇蹟」だと思いました。
Quotes
天は自ら助くる者を助く、ってフレーズ知りません? あたしここに来てね、これを強烈に本当だなって感じたんです。(中略)もちろん天に神様がいて、というふうじゃなくて、だから主語は天ではなくて、周囲でも環境でもいいんだと思うんですけどね、つまり、自分でなんとかしようとしない限り、人は決して救われない。
この台詞は、言葉通りの意味しかありませんが、これは確かにそのとおりだと思います。自分が困ったとき、人任せでは解決しませんし、自分で何とかしようとしない限り人は助けてはくれません。裏返せば諦めたら終わりということになるのでしょうか…
以上、なかなかの良作でした。気になった方はぜひ読んでみては如何でしょうか。
お読みいただきありがとうございます。次の記事でまたお会いしましょう。👋