+αな暮らし

某製造メーカーでインハウスのファシリティマネジャーとして建築・不動産に関する仕事をしています。このブログでは建築・不動産・施設管理系の資格挑戦についてと、革製品を始めとした愛すべきプロダクトについてつらつら書いています。

読書レビュー「散るぞ悲しき」

この度、梯 久美子さんの「散るぞ悲しき」を読んでみた。

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娘よ!妻よ!絶海の孤島からの手紙が胸を打つー

水枯れ弾尽きる凄惨な戦場と化した、本土防衛の最前線・硫黄島。その知略で米軍を最も怖れさせた陸軍中将栗林忠道は、粗末なテントに起居しながら、留守宅の幼い末娘を夢に見、お勝手の隙間風や空襲の心配をする愛情こまやかな父でもあった。

死よりも、苦しい生を生きた烈々たる記録。

 

硫黄島 ー

面積わずか22km2。世田谷区の半分にも満たない島で、日米合わせて8万人もの兵士が歴史に残る戦闘を演じ、死傷者は日本軍21,000余名、アメリカ軍28,000余名にのぼる。死傷者の数だけで言うと米軍の方が多いが、死者の数で行くと日本軍20,000余名に対しアメリカ軍6,800余名と日本軍の方が圧倒的に多く、ほぼ全滅した。

 

そして、驚くべきことは、この22km2しかない島で、組織的な戦闘が終わったあとも残兵はゲリラとなって地下壕に潜み戦い続け、最後の兵2名が投降したのは、なんと終戦から三年半経っていたと言うことだ。

 

これほどの激しい戦いがあったにも関わらず、今の日本人でそれを知る人はどれだけいるだろうか。沖縄戦などもそうだが、太平洋戦争でどれだけの人が犠牲になり、そしてその犠牲の上に今の日本が成り立っているのか、日本人として自覚して生きていきたいと思わせる本だった。

 

下記の引用文は、昭和19年12月8日付で栗林忠道が妻・義井にあてた手紙に書かれていた一文からの抜粋となる。

Quotes
ああいう悲劇は至る処で繰り返されている。戦争だからあきらめて太い神経を持ってみるがよい。一々気にしていると自分までが気が落ちる。(P.117)

嫌なことがあっても一々気にせず太い神経を持つことが大事だと改めて思い知らされた。